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「男が痴漢になる理由」男女全員で痴漢を作ってる?と反省させられ涙チョチョ切れ

斉藤章佳先生の「小児性愛という病~それは愛ではない~」を読んで、自分なりに頭の中で「こういう部分がこーだから悪いのだ」と決めつけていた(中年男性に多い筈)事案の代表格が「そーじゃない!」と、色々教えられる経験をしたので、

その経験がしたくて、・・・つまり、元より小児性愛にも痴漢にも興味もないし、自分がなりかけた事もない、家族がそれで困ったこともない。強いて言うなら、劇団員や知人の女性が痴漢に遭って精神をやられ、弁護士を紹介して差し上げたことがあるぐらいだ・・・なので、大人病とも言うべき「きっとこの問題はこういうことが原因で、これがこうならない限り改善は無理だよね」と決めてかかっている事をこれまた覆して欲しくて読んだ。今度はKindleで。こっちの方がすぐ手に入って、すぐ読み始められて、部屋を本が圧迫しないので有り難い。売れないけど半永久で持ち続けられる良さもある。

そしてまた、今回も、「え。じゃあ、自分も痴漢育成の一助となっちゃってんじゃね?」と焦る顛末。むぐぐのぐ。

「男が痴漢になる理由」斉藤章佳著

この方はお医者さんで、こういった、かつては変態と言われていた性癖や準ずる犯罪者の更生プログラムを実践して、行政が手薄でしょーがない部分を補いつつ(それだけでもすごいけど)、尚且つこの手の書籍などを通じて「問題提起」をし続けている。温厚な筆致の中に強い正義感が迸る。

痴漢に対する誤解

エッチな人が性欲が満たされないから「痴漢をする」という僕らの決めつけがぶっ飛ばされるところから始まる。

そう、スリルを求めるものであったり、刺激を求めるものであったり、中毒性があるものであったり、依存症と言えるものであったり、人それぞれではあっても、「性欲」限定の話では決してない。

痴漢経験者の厚生に向き合い続ける人だから「性風俗行けばいいじゃないか」ですむ話じゃないことをデータに裏打ちして説明され、僕らの先入観が粉砕される。

社会の問題という根深い、頭が痛い日本の現況も影響。とほほ。

そして、男尊女卑の日本社会の古い因習がもたらす「偏見」が痴漢にとってとても都合のいい状況となっていることも解った。このあたりはとても驚かされる。

加害者家族でさえも「痴漢を量産する」手助けを、知らずのうちにしている、とも言える日本社会の仕組み。解らないから余計に恐怖。まぁ、読んでみてくだされ。

痴漢ぐらいで

痴漢に遭ったから、それを捕まえて警察に突き出す。それにより、仕事に遅刻する。でも、その被害女性は、その日、大事なプレゼンテーションを控えている。会社の大事な日に、痴漢なんかで遅刻したら申し訳が立たない。

そう女性が思う事、思わされることの問題。

社会が痴漢の被害を「ぐらい」で済ませるとして、喜ぶのは誰でしょう?
それは、痴漢当人にほかなりません。被害を軽視することは、痴漢に加担するに等しい行為です。
同じく、痴漢の実態を明らかにしないままでいるのも、当人らにとってありがたい状況だと言えます。

勃起してないらしい

痴漢は行為に及ぶ時に勃起しているワケではない。つまり、性欲が中心ではない。危険を冒す行為を好むであったり、スリルを味わう、等いろいろな理由があるようで。

例えば、高い所に立つと、「ここから飛び降りたらどうなるんだろう?」と思うよね。それを「毎回飛んで見ちゃえる」のが痴漢なのかも。成功裡に終えた時の快感。

・会社の決算期など忙しさがピークに達する時期に決まって痴漢行為に及んでしまう
・上司から叱責された日は決まって、帰りの電車でターゲットを見つけて痴漢をする
・家庭内ではよき夫でありよき父だが、妻のほうが立場が強いことにストレスを感じていて、通勤電車のなかで痴漢行為をくり返す

パラドキシカル・メッセージ

依存症と同義。と言う要素も興味深い。ただの「スケベ」じゃないんだよね。

意志が弱いから、あるいは性格がだらしないからこうしたものに溺れるのではなく、彼らなりの目的があっての行動です。酒や薬は、自分を裏切らない。確実に酔いが得られるからこそ、最初の一杯、最初の一回に手を出してしまい、やがて自分では止められなくなる……。 エスカレートするのはSOSのサイン、と前述しましたが、苦痛や不安がいままさに増大しているのを周囲に知ってほしくて、ますます耽溺していきます。このような逆説的なSOSを「パラドキシカル・メッセージ」といいます。
痴漢はギャンブルなどと同じく行為・プロセスにハマる行為依存ですが、自己治療仮説はここにも当てはまります。強いストレスや劣等感、不安感、孤独感に心が支配されたときに一時的にでもそれを棚上げしたい……。その一心でギャンブルに興じ、痴漢行為に耽溺します。

被害者も、被害者家族も「痴漢を擁護」している

たとえばミニスカートを履いて出かけようとする娘に、親が「そんな短いスカートを履いていたら、痴漢に遭うでしょ!」「ヘンな人に狙われるぞ!」と注意を促す……多くの家庭で見られる光景ではないでしょうか。娘の身を案じる親心からでしょうが、これは「ミニスカートを履いていたら痴漢に遭っても仕方がない」といっているのと同じで、痴漢特有の認知の歪みを間接的に認めていることになります。
性暴力の被害を受けた女性に対して「遅くまで出歩いているから」「そんな危ない男性についていくから」「もともと男性関係が派手だったから」など女性の落ち度」をあげつらい、 「だからあなたにも責任はある」と自己責任を求める風潮はいまにはじまったことではありませんが、何においても自己責任論が叫ばれる昨今、特にその傾向が強まっているように感じます。被害者である女性を責める行為を、セカンドレイプといいます。
 どこに行こうとどんな格好をしようと、それは女性の自由です。それを理由に性暴力を受けても仕方ないという発想は根本的に間違っていますし、典型的な認知の歪みが見られます。しかし、性犯罪防止が語られるときには必ずといっていいほど、「気をつけよう」と女性側の注意が促されます。察でも学校でも家庭でも、なんの疑問もなく「女性に落ち度があれば、性犯罪に遭う」という考えが暗に受け入れられているのです。これでは性犯罪=女性の問題、という等式が成り立ってしまいます。

この、世の中のベースにある価値観がそのまま悪い形で顕在化したものであることも解る。というか解らされる。

何しろ、正義と非正義は紙一重

加害者を有利にしない事が重要で。

裁判でも女性の性遍歴や性産業への従事を理由に、加害男性の罪が軽くなるということが当たり前のように行われてきました。性的にアクティブな女性であれば、男のあしらいに長けているから強引に迫られてもうまく拒否できたはず、それをしなかったのは男性との性交に同意していたからだ、というわけです。歪んだ認知でもって女性だけに偏見を押し付け、性暴力の本質を見ようとしない……これでは加害者が有利になるだけです。加害者家族という立場の人ですら歪んだ認知にとらわれて裁判でも女性の性遍歴や性産業への従事を理由に、加害男性の罪が軽くなるということが当たり前のように行われてきました。性的にアクティブな女性であれば、男のあしらいに長けているから強引に迫られてもうまく拒否できたはず、それをしなかったのは男性との性交に同意していたからだ、というわけです。歪んだ認知でもって女性だけに偏見を押し付け、性暴力の本質を見ようとしない……これでは加害者が有利になるだけです。

認知の歪み

著者の言葉「認知の歪み」はここでも活躍する。確かにゆがんでるよね。
「露出している女は触られたいに違いない」
「触っていても、文句を言わなかったってことは、喜んでいるに違いないのだ。だから下着の中にまで手を入れてあげた」

阿呆だし、爆笑しちゃうポイントなんだけど、ホントにそういう感じらしい。淡々と書かれてるけど声だして笑っちゃう。そしてその直後に悲しくなる。

ホットドッグ・プレス

そうやって考えるとかつての童貞雑誌「ホットドッグ・プレス」とかも影響してるんじゃないのかしら?とか思うよね。

「赤い服の女はやりたがっている!」
とかねぇ。まあ直接の影響はないにせよ、「認知の歪み」ゆがませテクは拡散したかな。

加害者家族について

勿論、一番、手を差し伸べられるべきは被害者であり、被害者家族だ。精神面でもその他いろいろ。

だが、問題はそこまで単純でもなく、痴漢の場合は、加害者の家族にも影響が及ぶ。それにも深く言及している本書。

妻は「あなたがセックスさせてあげないからこうなったんじゃないの?」とのまなざしを感じる、とかね。

だから、「性欲を満たしたい」ってシンプルな話じゃないんだってば!ということなんだけど、世の中の見方はそれを許さない。悲惨ですよ。痴漢になると、一族郎党大変です。それが解る本であると同時に、ジェンダー平等が日本においてまだまだ曙前なのね、と感じざるを得ないのね。ぐっすん。

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広島行ってきた事で、地方局についてまたまた考える機会を得たので、それについてはまた今後。

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↑ちなみにこれは、ロリコン性犯罪者についてのドキュメンタリー。こうすべき。こうすればなんとかなる!という光を希望にのせて。

投稿者:

宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。

「「男が痴漢になる理由」男女全員で痴漢を作ってる?と反省させられ涙チョチョ切れ」への2件のフィードバック

  1. 宮川賢さま

    はじめまして。一般社団法人痴漢抑止活動センターの松永弥生と申します。
    痴漢に対する誤解、社会の問題を的確に指摘いただきありがとうございます。当センターは「学生のデザインで社会の課題を解決!」をキャッチフレーズに、毎年、夏に「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」を開催しています。(アドバイザーは、斉藤章佳先生です)

    学生が、電車内で痴漢に遭いながら登下校している現状を変えたくて、今も「学生に知ってほしい痴漢の真実:アニメーション制作プロジェクト」を立ち上げています。プロジェクトページをご覧いただけたら、幸いです。よろしくお願いします。

  2. 著者の斉藤です。ペドフィリア本に続き痴漢本も取り上げていただきありがとうございました。今月末には幻冬舎から新刊『セックス依存症』がでますのでよろしくお願いします。

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