「宮川賢MT」はラジオ日本で毎週金曜日25:30から放送中です。その取材で、海底トンネルを歩いて行ってきました。めちゃ怖い(>_<)
海底トンネル
指令を受けて、それを遂行するフォーマットの番組、宮川賢MT。1人ロードムービー。完全独白のみ。というのが最近の雰囲気。勿論低予算その他の事情が大きく絡む。
今回は、歩いて渡れる「海底トンネル」。すげー怖かった。
場所は、川崎のちどり公園から、京浜運河を挟んでの向こう岸、東扇島公園。公園から公園へ渡るのが海底トンネルなのだ。しかも、歩いて渡る。うげー。なんだそりゃ。
昼間に行ってみたけど、猛烈に不安だった。
トンネル・ノーバディ
トンネルに続く階段は緩やかだが、それは自転車を引いて渡れるようになってるようです。その緩やかなる下り階段を少しずつ降りていくのだけれど、湿ってるし、濡れてるし、汚れてるし、誰もいないし、怖い。
と張り紙。おおお。そうか。解った。ならば、念の為、録音もやめておこう。と言いつつ、少し録音しちゃったけど。階段を終えてもそこから下りのスロープ。これが猛烈に長く感じる。何しろ一直線なのだ。
怖い。一点透視で向こう側が見える。誰もいない。後ろを振り返る。誰もいない。怖い。
土嚢
途中、トンネルの両サイドに土嚢が見え隠れする。窪みがあり、そこに置かれているのだ。それが隙間に陣取るホームレスの方々のおうちの断片のようにも見えてとても怖い。
だが、違った。その窪みには扉があり、
と書かれている。その扉の下に土嚢。え。どういう意味? 土嚢があるってことは、水害を連想させる。
それが猛烈に怖い。水が染みてくる? 水で埋まる? 歩いてると猛烈に狭い空間なので、恐怖倍増。
そして、壁にヒビ。そしてそのヒビにそれぞれ、チョークで「35」とか数字やマークが書かれてる。
「うん。でもあんな所、そうそう人が通るワケないし急ぐ必要なくね?」
「ですね。あのトンネルを人が歩いてるのなんかみたことないもんね」
「だな、だな」
こんなやりとりが聞こえてきそう。そう思うと、深海のYrrを読んだ時のような恐怖が蘇る。ぞーっ! 悪寒の擬態語が頭に木霊する。怖いよぉん。
平地
そして、スロープを降りると、平地になる。ここで、もう引き返そうと思い始める。だって、怖いんだもの。平地が続く。これさぁ、そもそも、向こう側に
というのがある。渡れなかったらどうなるのさ? 行き止まりだったらどうなるのさ?
いや、戻るだけでいいべ?
と思うでしょ? だが、考えてみてよ。
後ろから変なひとに追いかけられたとしよう。どうやって逃げるの? まっすぐ行くしかないよね。でも、行くと、行き止まり。だとすると、やられるよね。戦うしかないよね。それが何であれ。
何であれ? 例えば何よ。
犬とか。虎とか。ぴかちゅーとかさ。そんなのが来ないとも限らないでしょ。
ちどり公園
そもそも、川崎のちどり公園という場所は、釣りが禁止なので、人がいない。ベンチに肉体労働者風のおじいさんが二人寝ていただけだった。俺が通りがかると、ギロと睨まれてしまった。
そんな公園だ。
なのに、何故か、車が数台、バイクが数台止まってる。どういうこと?
そんな車はあるけど、ギロと睨むおじいさん以外、人気が感じられない場所は、その公園の「へんぴ」な雰囲気も手伝って、昼間の晴れの日でも怖い。不気味。そう思っているから余計に。
海底トンネルを歩いて渡るものの、水がヒビ割れからなだれ込んで来るのではないか?との恐怖。
不気味なアナウンス
そして、100回ぐらい聞く事になる女性の声のアナウンスが恐怖を増す。
これが、本当に頻繁に流れている。怖いのだよ。そして時折轟音が響く。なんだこりゃ?
車道がとなり?
考えてみれば、車道がすぐ隣らしいということだし、この「人道」の壁の外が「海」ではないのではないか?
という気もしてきた。だからこの轟音が響くのではないか? あれは、トラックが猛スピードで走っている音だ。その唸り声だ。
到達
そうこうしているうちに、今度は上り勾配に差し掛かる。こうなると「ゴール」は見えた。これを上がればきっと向こう岸。そう信じて歩く。だが、
え、どういうこと? 目の前真っ暗。
と思いきや。ウイーンと。自動扉が開いた。なんだビックリさせないでちょ。
東扇島公園
そして、東扇島公園(つまり向こう岸)に着いた。やったぁ。怖かったけど。階段を急いで上がるからドキドキはあはぁだけど。
だが、階段を上がった先もまるでちどり公園のようなつまり既視感丸出しの公園。え。同じ所に戻されたんじゃね?そう疑問に思うぐらい似てる。
と頭の中ではてなマーク炸裂してる時に、自転車を引くオジサンがトンネルに入っていった。えっ! あ。あの人、トンネルを潜るんだ!
つまり、もう少し遅れて歩いていたら、あの人とトンネル内ですれ違ったんだ。なんだ、人は利用してるじゃないか!?良かった良かった。
復路
で、東扇島公園の周りを見てみると、図があった。
そこにトンネルの断面図があり、全貌を観る事が出来る。ほほお。そういうことになっていたのか。
これがちどり公園でも見られたら、もっと安心して渡れたんじゃないかなぁ。もう~。
で、東扇島公園の近くはどうなっているかというと、工業地帯なのか、会社や工場や色々。トラックがアイドリング状態で運転席でドライバーが寝てたり。でも人は極端に少ない。でも車は路上駐車されている。ふーん。まぁ、歩いてくるトンネル以外でも来られる場所だからね。
では、歩いて戻ろうか。
一点透視
そして、階段を下って、自動扉を開いて、また女性のアナウンスを何度も聞きながら歩いて戻る。
まぁ、一度歩いてるところを戻るだけなんだから、安心だろう。そう思っていても、なんだかんだ怖い。
やっぱり、湿った通路を閉所恐怖症じゃなくても、歩き続けるのは怖い。直線だしね。そして、帰り道には往路にはなかった事が起きた。
人が向こうから現れたのだ。
しかも、一点透視の図が視界なので、その「点」が少しずつ大きくなっていくのだ。それが相手であり、徐々に近づいていくのだ。猛烈に劇的なすれ違いだ。
だが、すれ違う時に「こんにちはぁ」なんて言わない。登山客じゃないんだから。コロナ禍なんだから。
そりゃ確かに撮影禁止って書くよね。映画の撮影で大挙押し寄せちゃうものね。とてもフォトジェニックな場所だもの。
だが、それだけではなかった。人は後ろからもやってきた。すれ違った後、今度は前からもやってきた。詳しくは「宮川賢MT」をお聴き下さい。マジ怖いから。
無事戻る事が出来た(当たり前)
で、戻ってから、ちどり公園側に断面図とかなかったのかよ?!と調べて探してみたら、こんなのしかなかった。
直線の理由
歩いている最中、僕はずっと考えていた。どうして直線なんだよ。それが怖いじゃないか、と。
だが、すぐに解る事だ。例えばカクカク曲がりながら歩く路だと、それこそラビリンスだろ。ドラクエの洞窟だろう。怖くて仕方ないじゃないか。
直線が一番いいでしょう。そりゃそうだ。
だけど、怖いよね。本当に怖い。とりわけ「向こうがどうなっているのか?」をまるで知らない状態で渡るのは僕には勇気が必要だった。なんとかなったけど。実は途中で引き返したくて仕方なかった。
興味のある人はいってみて下され。この不思議な体験が待ってます。
これが、ちどり公園側。
で、これが↑東扇島公園側。
ちどり公園
東扇島北公園
川崎港海底トンネル人道
東成田の連絡通路よりも暗くて不気味だった。余りにも長くて途中で引き返した pic.twitter.com/ibR5oraDv1— みねはる (@cosmic_surfin) July 21, 2020
↑こういう人は多いと思う。ホント怖いもの。え?長いから?か。
「海底トンネル単独歩行横断の恐怖」への2件の返信
大阪市此花区と西区の間を流れる安治川(あじがわ)にある「安治川トンネル」も、川の下を通るトンネルですよ。
完成は戦争中の昭和19年。昔は、車が通れる通路もあったけど、現在は閉鎖されていて、人道のみとなっています。
出入口はエレベーターと階段の併設。
この安治川トンネル付近には、橋がないので、利用者は多いです。
おお。そうですか。大阪に行った際には、是非寄ってこようと思います。コロナ禍で立ち行かないですが(汗)。そして、前から「トンネルの中で歌って、ナイスなリバーブを効かせてくれるトンネルを探す」というのを考えていたのですが、このちどり公園のトンネルでは怖すぎて歌うのを忘れてしまいました(涙)。