生放送の仕事がないと自由度が上がります。それにより、「今」読む必要がないものも、「今、読む事ができるようになります」ね。で、「pink」岡崎京子です。色あせない。だが、今読み返すことで、少し気になる事がある。
pink
岡崎京子の代表作とされる、pink。自分の妹が、爪をきれいに縫っているのを見て、その妹をモチーフに考えていたら生まれた作品らしい。
主人公は22歳のOL。夜はヘルス嬢。欲しい物は欲しい。やりたいことは絶対にやりたい。嫌いなものは嫌い。我慢ができない正直者。直情径行。
部屋でワニを飼っている。義母は財産目当てで父親に近づいたことを知っている。そして、その義母が若い燕を囲って肉欲に溺れている事をしる主人公……。
もう作品を出せない
岡崎京子さんは、世田谷でひき逃げにあって、重篤な状態で一時意識不明だった。旦那さんと共に事故に遭ったのだが、編集者や知人などの話を総合すると、それはそれは大変な状態だったようです。
最悪の事態は免れた!というの報せがファンをどれだけ落ち着かせたか。
「ヘルタースケルター」の映画化にあたり、
「新しい作品が描けない今、自分の作品に新たな命が吹き込まれる事に興味がある。」
というのが「映画化」をOKした理由。
岡崎京子はみんなのものだった。小泉今日子をコイズミというように、今も同世代はオカザキという。アイコンってこと。宮沢さんも本で沢山紹介してる。
快方に向かい、オザケンのライブに車椅子で現れたのは、日本中を元気にしたニュースだったね。オザケンもステージで泣きながらそれを紹介していた。
それでもやはりもう漫画は書けないようで、どころか、2015年の「岡崎京子展」に出された「ありがとう」の文字は視線入力(トビー)というもので書かれたものらしい。つまり、ファンは、
岡崎先生なら、漫画じゃなくても、小説だって充分読みたいっすよ!
と思うだろうけれど、そんな調子のいい状態ではないらしい。
トビー(視線入力)は最近では、PCで普通にできそうでそれはスゲーなって思う。
ひき逃げ犯は捕まったのか?
そもそも、そのひき逃げによる交通事故で重傷を負いってニュースだから「ひき逃げ」?って事にとても引っかかりを覚えていた人がいただろう。僕もそう。ずっと思ってた。
改めて考えてみると、「飲酒運転によるひき逃げ事故」という事実があるようなので、「飲酒運転」による、と判明しているということは「逮捕されている」事は間違いないだろう。
そうやって思って少しだけ納得。
ただ、「そういや岡崎京子夫婦をひき逃げしたやつって捕まったんだっけか?」ということを考えながら「pink」を読むのはやめたほうがいい。内容が内容だけにね。
ちなみに、事故が起きたのは、18時30分。
夕方から酔っ払い運転って、午後から飲んでる浅草の親父かよ!
と下町を嫌いになるのはお門違いなので、やめましょう(当たり前)。
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岡崎京子は、あとがきでも改めて「すべての仕事は売春である」と連呼してる。2020年にこう読むと違和感を感じるけど、彼女が言うのは「女は女を武器に生きているのだ」ということを言っているのではないので、誤解しないようにしましょう(無粋老婆心)。