いよいよ、2022年から放送されていたガッツリ音圧の番組「政国燦多朗スコやかMusic」の音楽ナシBGMなし、ジングルなし、テーマ曲なし、……素ナレonly!のリミックス配信が決まりました。10月から毎週配信開始です。お楽しみに!
2022年10月から半年程度「ウルトラFM」にて放送されていた番組です。
正しい?楽しみ方は…
このポッドキャストは、そしてこのコンテンツの楽しみ方は、宮川が自分らしさを残したまま、そして、自分のラジオに対する矜持を保ち続けたまま音楽番組を作ってみようというものであり、そのことで葛藤している様子を、孤軍奮闘している切磋琢磨の様子をドキュメンタリー風に味わうというのが、よろしいかもしれません。
と申しますのは、かねてから音楽番組の中に勿論しっかりしたカッコイイ、我々AM肌の人間からは到底作りきれないような芸術的なグルーブ感での情報量と選曲の完成度の高い番組も沢山あるものの、その中に隠れて、というか紛れて、残念なFM番組が沢山あるのを強い抵抗を以て見つめていました。
予算がないから仕方ないのだけれど、ちょっとメール読んですぐ音楽、そこで2曲続けてかけて、またメール。要は音楽中心で、人が届けているというテイのためだけの存在している場つなぎ犬のようなDJ。そこには情報性もなく、地下アイドルがネット配信をしてファンとじゃれ合っているよりも無残で悲惨なラジオ番組が多く存在します。
どうしてそういう風になっちゃうのか? どうして、もっとちゃんと作ろうとしないのか? そこにクリエイターとしてのプライドはあるのか? それがとても気になって、自分でやってみることにしたのです。それがこの「スコやかMusic」なんですね。
不可能だった
ですが、一度「ちゃんと」作ろうとしてみると、ドエライ事になります。まして僕の場合は出演者も選曲者も編集者もADも一人ですから。
FMラジオはTFMやj-waveやDATE-FMで出演者として番組に携わった時期もあるし、放送作家として色んな種類の番組に参加もしてきた。パーソナリティ番組やオシャレ番組、情報性の強い番組やコント番組、DJ番組や、音楽番組など。
なので、どれだけAMと価値観の違いがあり、何を優先順位の上に置いているのかの違いも理解しているつもりでしたし、挑戦するにはモッテコイのタイミングだったのですが、
いざやってみようとすると、音楽を多くかけるということは、トークのタイミングがとても多いし、そのトークを「濃く」しようとすると、それはそれは大変で。そこに「エピソードトーク」なんていう「伏線あって、物語性があって面白い」話なんてものは入れ込みようがありませんし、とはいえ「単発ですぐパッと笑えるような小話のようなエピソードトーク」は似合いません。じゃあ、すぐ発火するトークとなると「芸能人の悪口」中心になります。毒を中心にしたものですね。それは卑しい。
ということは、情報性と喋り手のパーソナリティの両方が含まれる必要性に辿り着きます。そんなのを1分程度のつなぎトークに入れ込もうとするなんて、まぁ厄介で。しかも、いちいち、そのつなぎトークに「BGMを選曲して」引くなんて、大変大変。
つまり、やっては見たものの、自分の中で、こりゃあ番組予算と労力のバランスが悪すぎるぞ!ということで、すぐさま撤収することになりました。局とスポンサー様にはご迷惑をおかけすることになりましたが。
なので、このコンテンツで見てとれるのは「闘いの記録」であり「挑戦の末の敗退」であり、「残念なFM番組が数多く存在することはしょうがないのだ!という証左」です。
スゲー番組はスゲー
それは、改めて、ちゃんとしたFMラジオ番組や「音楽番組」が如何にスゲーかを示唆することでもありました。TOKIO HOT 100や克也さんのファンフラとか、出演者スタッフ番組内容全てが完成された名作番組、現存する伝説番組は、本当にスゲーよなって話になりました。これを経てから僕はFMでのイケてる音楽番組に出会うと、その凄さを震えて感心しワクワク聞くように姿勢が大きく変わりました。だって、ただリスナーが聞いているだけでは、その凄さは「まるで解らない」んですもの。その解らせないところが一番凄いんだけどね。
懐かしむ
とはいえ、わざわざ2022年の放送していた10月に合わせて配信するものですから、丁度三年前の同じ季節を追体験する形で愉しめるようにもしたつもりです。つまり、丁度三年前はこんな感じの世の中だったのねぇ? こんな価値観で生きていたのねぇ? なんてことを含めて、感じて貰えたらよろしいかなと。素ナレだけのコンテンツですが、前述した通り、自分が改めてAMラジオよりFMラジオの方が「クリエイターの質は決定的に上である」事を身を以て思い知ることになったキッカケなので、個人的には大きな節目となったコンテンツなのです。
僕は製作者ですから、放送当時の番組データを全部持っています。テーマ曲が決定した時の喜び、エンディングテーマを見つけた時にカタルシス、僕のようなエッジの強い声にも負けないBGMやジングルをバランスよく制作できた時の喜びなんてものは、懐かしい思い出です。しかし、その既存楽曲を使った全ての音素材は、ここには入っていません。あしからずご了承ください。そして、この番組をリアルタイムで聴かれていた方は、その事を「ふふふ」と多少ほくそ笑んでいただけたら幸いです。

