頭を使って、集中力がなくなったのに、まだ眠くない、という状態だと映画をネットで観る事が時折あります。
若い頃にレンタルビデオで借りたり、何を借りるかを悩んでいたりしたのも、今は昔。懐かしいですね。
あの頃は、そんな不便なことを当たり前のようにやっていたのに、今はこんなのが当たり前になって、という事、年を取ると多くなります。
スカパーってのは画期的でしたが、ビデオ録画のセットと、スカパーの視聴予約のセットの両方をしないと「欧州サッカーが録画できない」という問題があり、チャンピオンズリーグの時期になると、全試合をちゃんと録画したいもんだから、その録画セットだけで、30分ぐらい平気で経過していた。風呂上がりにやると湯冷めするから風呂入る前にやんなきゃ!なんて記憶がある。
今は、映画作品も、u-nextとか、アマゾンプライムとかですぐにオンデマンドで観られますな。なんと便利な。勿論作品の数と品質の違いはあれど、かつて、通ったレンタルビデオ屋の品揃えに比べたら、劇的に増加しているので、それに文句を言う中年以上のビデオファンはいないんじゃないかな。勿論、あー、これ、ないのかぁ、というのはあるけどね。
ウィンド・リバー
で、2018年に日本で公開された「ウィンド・リバー」です。雪が絡むと映画は面白いという鉄則がありますが(嘘)、これも然りね。
観てない人は、ネットでどうぞ。ネットの映画って、クソみたいなのが多いので、すぐに途中でやめよう!となるけど、これはそんなことはない。
主役2人がアベンジャーズ俳優ということに、吐き気がしなければ、観ていられる。というか、それを気にしなければ、とても面白い映画であります。いろんな意味で。
ネイティブ・アメリカンの問題
保留地というのがあるらしく、自治権をかなりのウェイトで与えているので、別の国のような場所。インディアンの末裔が暮らす所。広いのに、そこの警察は数人だけ。そこで起きた若い女性の殺人事件に呼ばれたFBIが手伝おうとするが、
レイプされたようだが、それが死因ではない。寒い中、裸で走り続けたことにより、肺出血で肺の中に血が溜まって死んだ、というのが死因であり、「殺人」とは言えないとの判断。それにより、地元の人たちと数人で解決に向けて動く以外になくなる。
その「ネイティブ・アメリカン」の女性の失踪は、「統計がなく」いつ何人がなくなったのか、記録が残っておらず、残す予定もない……ということが最後の字幕で解る。
という社会問題が根深くある。
スリラーとか言われてる
で、表面的には、スリラーとか言われてる。まぁ、何かカテゴライズしなければならないとしたら、そうなるのかもしれないけど、そんな一言で片付けてはいけないようにも思え。
そもそも、カテゴライズされて喜ぶ創造者っていないと思う。劇団をやっていても「てことは、劇団●●●みたいな感じなんですか?」って言われたりして、「そうですね、かなり似てますね!」なんて言うワケないべさ。そんな「何かに似てる」と言われて喜ぶ人って少ないと思うよ。
例えば、気位の高い女性は、「女優の●●さんに似てますね」って言われてると、言う側がベンチャラのつもりでも「その女優より美しいと思っていた」となると、不愉快な思いをさせることになる。人の志って無限に高くあってもいいのでね。
なぜ、レイプされたのか?
なぜ、レイプに至ったのか。そして、裸で走って逃げるというのはどういうことか? その親のインディアン(マーチン)の気持ちはどういうものか?
娘を亡くしたネイティブ・アメリカンの遺族の気持ちは?
そして、その保留地では、どうして、「若い女性ばかりが殺されるのか?」という大きな問題も絡む。
どうです、面白そうでしょ。観てみましょう。硬質で、見終えた感覚はあまりよくないがサイコーです。
レイプ&ワインスタイン
ちょうど、この映画が公開されるころ、ハーベイ・ワインスタインは、セクハラで告発されて、弟から会社を解雇される。辞めることを勧められたが、断ったので、解雇となった。当たり前だべさ。何度も処理させておいて、もう無理だっつーの。
で、そのワインスタインのレイプとかセクハラとかの問題で解雇って同時期にこの映画が公開。
アメリカの根深い問題(ショービジネスの利権/ネイティブ・アメリカン)
セクハラとレイプのシンクロ
なんてのがコミカルになっちゃった為に、ある意味作品が割食ってる感あり。
作品に罪はない
映画に罪はないというのは解っているけど、ワインスタインのおかげで、もっといえば、角川が日本の配給ってのもあって(笑)、なんかあまり良い印象ではなくなってしまった。とさ。
何より、アヴェンジャーズ俳優が2人主役って時点で、僕は、閉口気味でしたけどね。それを目をつむっても面白いです。何やってんだよ、アメコミの力でなんとか解決しちゃいなよ!とか思わないで観てればいい。
まぁ、子供映画のイメージが着いちゃうと、こういうのは無理だね。勿論成立はしているけれど、俳優って本当にイメージが大事だなぁと思ったよ。
で、映画を楽しみたいから、テレビを観ないようにしてるよ。これ、正しい選択だと思うよ。
テレビをつけていると嵐というグループが出てくるでしょ。バラエティ番組でね。ニノって呼ばれてるタレントがいるでしょ。楽しそうにボール蹴ったりのゲームをメンバーみんなでやってたりする。あの人ね。
僕には、クリント・イーストウッドの「硫黄島からの手紙」で手榴弾を胸に当てて自害した兵士にしか見えなくてね。
夕食時とかにテレビを子供がつけて目に入るバラエティ番組の彼が目に入ると「ああ、戦死したのに、こんなところで、こんなことをして……」と不思議な気持ちになる。
そゆことよ。
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