文藝春秋に「東京を押さえなければ感染は終わらない」というタイトルの尾身茂先生のインタビューが載っている。「分科会」にされた中で、どうやって進言するのか?の苦慮も窺えて、敬服。問題三つがポイントだそうで。
政府に明らかに気を遣ってる
読むと解るが、きゃんきゃん叫んでも総理たちは「うっせーなー」となるのでしょう。それでは伝わらない事を察知した分科会の皆様は、色々なカタチでのアプローチで迫る。
そう、トランプ元大統領がホワイトハウスに着く時に必ずやっているニュースを見た後にカッとなってTwitterでよからぬ事を呟く事に気づいた側近たちが、到着したら、何しろ話しかけてテレビを消せ!作戦に出た話とかを思い出す。
言い方伝え方を考えないと「真意」が伝わらず、国民の為にならない。そう苦慮している様がひしひしと伝わるインタビューだ。
かなり気を遣ってらっしゃる。
バカにどう伝えれば、宣言出してくれっかなぁ~
というようにも思えるけれど、心底、総理の努力を応援していらっしゃるので、そんな感じではない。ただ、「解らない人に伝える」事の難しさと、努力を散々したようす。
そして、やはり、懸案の、
小池都知事と菅総理の「そっちでやんなさいよ」駆け引き
がかなりのウンコな状況だったのは感じてらっしゃるようでした。そりゃそうだよね。だって東京がブワアアアアアッ!とまき散らしているのは明らかだものね。
三つのポイント
感染急増の年末、何が起きていたのか? という事で、整理しているので、ポイント3つを引用して紹介。
その1/無症状感染者の移動
無症状の感染者の移動が感染を拡大させているという、ハッキリした事実。Go Toトラベルとも関連づけられる。当たり前だよね。
これをデータで説明してる。詳しくは文藝春秋をごらんあれ。
その2/東京から地方へ広がっているという事実
これもハッキリしていることだけれど、整理されたポイントとして言われると、ぐうの音も出ない。
東京都だけで全国の感染者の23%、大阪府で11%、この二箇所で全国の「3割」だから。
しかも、それに、北海道、埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、兵庫を足すと全国の「75%」になる。
都会の高止まりを止めない限り、日本全体の沈静化は不可能。
その3/家庭内感染は「結果」でしかない
「感染が起きている場面」はどういうものなのか?
という疑問で考えてみた場合、
「家庭内感染が増えている」
というのはあくまでデータとして出ているだけで、感染拡大の「結果」でしかない。という。ごもっとも。
遷移を終えていない感染経路不明の感染者が概ね6割。東京のこれはとても多い。
つまり、家庭内感染というのは、ウイルスを持ち帰った結果であって、主たる伝播経路は別にある、とおっしゃる。目を覚ますべきですな。
外で吠えるのをやめた
尾身先生は、外で言うのをなるたけやめて、「菅総理の悪口に」ならぬよう気をつけて、ちゃんと向き合って西村大臣経由で伝わるように頑張って下さった。
それによって、ようやくGo Toトラベルが一時停止になり、宣言も出た。
それは、「どう書けば伝わるのか?」ということをものすごく考えた結果、三度目の提言のタイトルをこう決めて提出したのだ。
「私たちの考え」
これが響いた。例えば「2020年末の対応策原案」なんかだと、「本気」が伝わらない。
どうやって書類を作れば「読んでもらえる」か。西村さんから菅総理まで話が上がっていくか。そして、危機感を共有してもらえるか? そのあたりの苦労が本当に伝わるインタビューだった。
僕は穿つから、このような斜め目線で書いているけれど、実際のインタビューは、「ちゃんと総理の功績を讃えていたりする」ので、なんとも分科会の方々は人徳者なのだと痛感するでござるよ。
まだまだ予断は許さないので、引き続き、感染予防対策、頑張りましょう。