M-1の「マヂカルラブリー」は漫才なのか論争が、とてもくだらない。
同様に、RIZINの堀口恭司のカーフキックを「卑怯だ」という人がいる。これにも驚いた。
この二つのイチャモンについて。
M-1マヂカルラブリー
漫才の一番を決める大会に出ている人を漫才じゃない、と言うのは、イチャモンでしかなく。
得票数で負けたのに、「私は勝利した」というトランプ大統領よりもしょうもない。
いや、わからんすよ。実は、M-1の決勝には、とはいえ「その後のドーピング検査」で「薬物使ってましたので、失格」とかあるのかもしれないし、
サッカーに導入されて、問題に事欠かない「ビデオレフィリー」判定のように、ビデオでよぉく、見て見たら、
「あ、この部分で、ボケ続けに対してツッコミの数が足りませんねぇ。オフサイドですねぇ」
とか厳密なるルールがあるのならば話は別だがね。
なぜ、イチャモンが出るのか?
どうして、「あれは漫才と言えるのか?」という言い方になるのか?それは、まぁ負け惜しみを言う敗者の中で性格悪い人が言い出したのか、それとも単純にネットでざわつかせるのが好きな残念な人種がボウフラのように湧き出ているのか、判らないけれど、
要は、
「人の成功が疎ましい」
のだろう。
人の不幸は蜜の味。
とりわけ、芸能人は無意味に憧れを持たれているらしく、その人をけなすことが出来る要素は、逃さずつかみ取りたい、そういう人がいるみたいですな。
どんなに人気者のタレントでも、早く失言しやがれ、とばかりに、叩く準備万端な残念マンたちがネット繋いで書き込みたくてうずうずしてるのでしょうね。
わかんないけど、無理矢理言うなら
無理矢理、じゃあこうしたらどうですか?としたくもない提案をするならば、例えば、
センターマイクでしか拾わない
って事にしてみたらどうですか? それ以外のマイクでは拾わない。スタッフがガンマイクで、演者の口元を狙わない。襟元にピンマイクを付けない。その代わり、マイク一本立たせておいて、そのセンターマイクのみで拾える声での表現、とかね。
ものすごくつまらなくなる可能性が高いね。だって、漫才の中で演じる入れ子構造の劇中劇が一つも台詞が聞こえなくなっちゃう。
スラップスティックな味付けが皆無になる。そうなると「面白いけど……」という人たちが優勝するストイックな大会になるでしょうな。
それはそれで、総合格闘技がM-1だとしたら、それは「アブダビコンバット」のような大会になるのだろう。通が見れば面白いけれど、見た目はとても地味、という。
進化は素敵
日本のお笑いは、とりわけ、コントと漫才はどんどん面白くなっている。凄いと思うよ。演劇はある意味飽和状態に入って、前衛なんて言葉さえも鼻につくようになってきてるし、静かな演劇ブーム以来、「声が出せない役者」が「何も起きない物語」を堂々とやる集団も増え、変な感じにもなっている反面、テレビドラマとまるで変わらないのも激増してる。
なのに、お笑いは「まだこういうのがあるか」というのが毎年出てくるので、とても楽しい。ビートたけしサンが、俺らが今いたら、全然敵わないだろう、と言っていたのがとてもすがすがしいと同時にそう思われるのも理解出来る雰囲気。
だが、演劇の場合は、歌舞伎があって、それじゃあないものを、と新劇が出てきて、アングラ、小劇場へと繋がる。シンプルに言えばね。なので飽和状態も進化の一つの課程。
だが、その中で、歌舞伎が変な演目をやって新規顧客開拓を図ったり、宝塚がルパン三世をやってみたり、と、何でもありになるような「集客目的」は進化とは言いがたく。
その進化と比べると日本のお笑いは、シンプルに進化しているので、気持ち良い。もっと面白いお笑いを作りたい!と思う人たちがとても多いってことだよね。凄い熱量だ。
なので、マヂカルラブリーは、実際にとても面白かったし、変なの出てきて欲しい病の僕は有り難い。でも、タモリさんみたいな人が現れた気色悪い衝撃は二度とないのだろうけれどね。
カーフキックの堀口恭司
で、大晦日のRIZINで、ベルト奪還した堀口恭司。
今年は、大晦日はRIZINを見ました。どうしても、堀口の勝つところが見たくて。だって、まさか朝倉海に負けるなんて、まるで思ってなかったからさ。負けた時はビックリしたからね。
でも、今回勝利後のインタビューを見ると、「やはり、一度断った試合は、やるべきじゃないと学びました」と言っていたので、負けた時は本当に体調が悪かったのだろう。
そして、大きな代償を支払う羽目になり、でもそれが、RIZIN側が思い描くドラマをしっかりと構築した。
まぁ、ドラマで言えば、PRIDEの頃に、桜庭がヴァンダレイを「いつか倒すだろう」という筋書きは最後まで実らなかったけれどね。
なぜ卑怯なのか?
堀口のカーフキックがなぜ卑怯という言われ方をするのか?
まるで理解出来ない。
調べてみると、「カーフキックでの決着に納得出来ない」という見方を朝倉ファンがしているようで。
あとは「見ていて面白い決着の仕方じゃない」部分が「卑怯」と言わせがちなのかもしれない。
日本は、海外のとりわけUFCをよくやってるアメリカ(ラブベガスとか)の客のようなわかりやすいKO決着以外でもちゃんと寝技を理解して拍手したり盛り上がったり出来る、バーリトゥードリテラシーの高い国と称されているが、
そんな中、そういうクソみたいな意見が出てくるのは、ある意味、
「にわか総合格闘技ファンが増えてきている」
という良い意味で捉えるべき現象だろう。
↑これ見て、「卑怯」と思います????
思ったとしたら、それは恐らく、
- 何しろ朝倉海に負けて欲しくなかった熱狂ファン
- 総合格闘技をよくわかっていない初心者
のどちらかなのだと思いますよ。
カーフキックとは
ローキックは普通太ももとかを蹴るけれど、カーフキックは、スネを蹴る。皮が薄いので神経が集中してたりして、「すぐ痛くなる」場所らしい。
この動画がとても興味深く理解出来て、カーフで決着したいくつかの試合を楽しめて良い。
グニャって変な方向に足が曲がってしまって、足の甲で立ったり歩こうとして、足首骨折になる選手って見たことあるけれど、それは実はカーフキックのダメージで神経が足首より下に行き届いていない状態だったらしい。
この動画の中にもある、美濃輪マンが壮絶だったね。立てなくなった後の戦い方が、もはや自虐的過ぎて。というか美濃輪マンらしいよねぇ。でも、この対戦カードは何なんだって感じだけれど(あえてYouTuberの事には触れない)。
イチャモンを付けられた二組の共通点
そんな、「あんなの漫才じゃない!」と言われたマヂカルラブリーと、「卑怯だ!」と言われた堀口恭司ですが、
時を同じくして「イチャモンつけられた」二組には、共通点がある。
それは、
どれだけイチャモンつけられた所で痛くも痒くもなく、
勝利の喜びにおいては一点の濁りにさえならない
ってことだよね。
関係ないけど、マヂカルラブリーの村上の本名は鈴木崇裕(すずきたかひろ)だそうで。なんだそりゃ~ん。