バルサにはCEOがいる。それは会長とは違う。そしてその人が助けてくれた人とも言える。この泥船を救う救世主であることは間違いない。その人が、レアルの会長ペレスと「欧州スーパーリーグ構想」を形にしようとする上で、邪魔となるCVCに「否」を出さねばならなかった。なぜなら、CEOは金儲けが出来なければならないのだから。それがハッキリ解る記事が出てきた。
真犯人は、CEO
FWリオネル・メッシの退団を受けてバルセロナを離れたジャウメ・ジョピスが、スペイン『カデナ・セール』とのインタビューでその理由について詳細に語った。
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ナバーラ大学のビジネス学教授だったジョピス氏は、バルセロナのスタジアム&練習場の改修計画「エスパイ・バルサ」の委員会メンバーだったが、同クラブのジョアン・ラポルタ会長がメッシ退団を防ぐために適切な手段を講じなかったことを指摘して辞任していた。
ラポルタ会長は当初こそこの資金調達を切望していたようだが、今後40〜50年のテレビ放映権収入を抵当に入れて、同収入の10%を支払わなければならない可能性があるとして最終的に拒絶。これによりメッシの退団を余儀なくされている。
しかし『カデナ・セール』の番組エル・ラルゲーロとのインタビューに応じたジョピス氏は、ラポルタ会長がCVCからの資金調達を拒絶した理由があまりにも曖昧だったと指摘。さらには同クラブのフェラン・レベルテルCEOがレアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長と結託していたとの見解も示している。
「私は辞任せざるを得なかった。ジョアン・ラポルタが私を失望させたからだ。彼は会長選挙での根幹となるマニフェスト、レオ・メッシの残留を実現しなかった。私はバルセロナのソシオとして、今、君たちとそうしているように自分の考えを自由に話すことを望み、そのために辞任したんだよ。私たちは実際に起こったことを知る権利がある。今回のプロセスは完全な透明性が確保されていない。木曜に(バルセロナとメッシ)の両弁護士が契約にサインを交わす用意をしていたにもかかわらず、ホルヘ・メッシがいざ到着したときにラポルタが彼に対して交渉は存在しない、CVCとのことも含めてすべてが壊れた、と言うのはあり得ない。私たちは、なぜラポルタがいきなり考えを変えたのかを知りたいんだ」
「メッシ自身も『僕は給料を50%引き下げたが、それ以上は何も求められなかった』と言っていた。CVCは言われているように禿鷹の投資ファンドではない。誠実なファンドだよ。確かに最初の契約については、ラポルタ曰くバルセロナの今後50年の放映権収入を抵当に入れなければならないために受け入れなかった。しかしCVCとは交渉の余地を残しながらも、交渉すらしなかった。ラポルタを説き伏せたのはフェラン・レベルテル、バルサの新しいCEOだ。彼がフロレンティーノ・ペレスと取り組むスーパーリーグのプロジェクトがあるために、CVCと契約は結べないと言ったんだよ。レベルテルは以前からフロレンティーノ・ペレスと友好関係を築いており、彼ら二人でラポルタの考えを変えてしまった。驚くべきは、市場が閉鎖するまで、まだ25日もあったということだ。解決法を探す時間はまだあったのに、それにもかかわらずメッシ、CVCとの交渉を否定するなど……。これはフロレンティーノ・ペレスにとっては完璧な解決法となる。レアル・マドリーがムバッペを補強するためのね」
「新しいCEOはずいぶんと幅を利かせている。あらゆる契約書のサインが会長ではなくあのCEOを通す必要があり、ラポルタにCVCと契約を結べば辞任すると脅していたんだ。ラポルタはCEOの重圧を受け、さらにフロレンティーノからも説得された。彼ら2人でCVCと契約を結ばず、メッシを追い出すようラポルタを説得したということなんだよ」
つまり、メッシは大儲けの邪魔だった。
整理しよう。バルサは火の車だった。ラポルタが会長に当選したけれど、銀金の保証がなければ、会長には就任できなかった。CEOは白馬の王子様だった。会長であっても、CEOには逆らえない。命綱だから。
次に。CEOは金を都合した代わりに、山っ気が強く、欧州スーパーリーグ構想をレアルマドリーのペレス会長と進めている。これで大儲けするのが目的で、沈み往くバルサに助け船を出したのだ。
なので、欧州スーパーリーグ構想が、プレミア勢が一気に撤退したりして完全に頓挫しつつあるにも関わらず、バルサとレアルはまだ残っているのは、「引くに引けないから」であり、リーガより「強気に」出たいからだ。
CVCと契約することは、欧州スーパーリーグを諦める事に等しい。だから、バルサCEOはレアルのペレス会長と、バルサ会長のラポルタを説得して、メッシを追い出すように指示した。
それを飲む以外に道がなかった、借りてきた猫会長のラポルタ。つまり、欧州スーパーリーグ構想を絶対に実現させてやる!と鼻息荒い、バルサCEOにとっては、ラポルタ会長が「メッシを残す!」という公約で当選した事など、どうでも良かったのだ。
そして、興味深いのは、ムバッペの話だ。メッシがパリサンジェルマンに行けば、玉突きで押し出されるムバッペがレアルに来やすくなる。金がかかりすぎるメッシを獲れば、出たがっていたムバッペを都合良く売り出せる。欲しがってるレアルも補強出来る。
レアルとしては、スーパーリーグはともあれ、ムバッペ獲得を確定的にしてからCVCに合意したっていい。
レアル会長のムバッペ欲しい!というのと、
バルサCEOフェラン・レベルテルの「欧州スーパーリーグで大儲けしたい!」というのが、
合致したのが「メッシとの別れ」だったんだ。がーん。悲しい話だ。でも、これが一番、リアルですな。