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鴻上さんの人生相談

AERAの鴻上サンの人生相談が柔和な筆致で断罪していて気持ち良い。

AERAで連載

第三舞台の鴻上尚史さんは、コミカルな口調なのでもっともっとラジオをやって欲しい人だけれども、他に力を注いだ方がよさそうなのでそれはそれで仕方ないと思うナリ。さておき。人生相談について。鴻上さんは連載している。

人生相談

僕はようやく最近になってちゃんと人生相談的メールに「放送で」答えるようになった。やはり、一廉の人物でないと「ナニ応えてんの?」ってしらける(昭和言葉)。

お前が偉そうに、ナニを。ってね。その相談に乗っている様を放送するなんてラジオとなると、それはそれは、恥ずかしいしおこがましい。よくできるなぁと思う。

日本国民の8割の人間が「あの人ならば確かに相談したくなるなぁ」と思われるような立場の人じゃないと、「応えづらい」と思う。でも、やってる人いるけど、そこまで鉄面皮に僕はなれなかった。

ラジオと雑誌

ラジオの人生相談と雑誌とはまた違うよね。でも、もっと違うのは、直接される「人生相談」。そう、つまり人に聞かせる読ませるものではない類い。ただの相談だよね。

そこが大きな違いで。

言ってみれば、ラジオの人生相談は、相談の内容と答えが「商品」でありエンタメだ。雑誌もほぼ同じ。

つまり、相談者がほんとうに「ためになったのかどうか」は何一つ問題ではなく、応えている内容が面白ければ、パーソナリティ番組になる。

だが、ラジオ番組の相談は、「ただの相談」が多く、本当に親身になっているに過ぎずエンタメ要素が低い。

ただ、シンプルに人の不幸を対岸の火事として愉しんでいるような嫌な構図に思える。なんだろ、交通事故をジックリ見る為にゆっくり走る「野次馬渋滞」であったり「磔にされている遺体を見に行く」であったり。そんな風。

それは、パーソナリティの無個性や「コンプラ」も影響するだろう。下手な事を言いづらいというご時世。だが。雑誌はかつて面白かった。

太郎に訊け!

誰がどうみても面白いのが岡本太郎の人生相談だ。週刊プレイボーイに連載していたものが三冊ぐらいになって発売されている。ずーっとトイレにいれてあった。何かあれば読む。エンタメとしても活力源としてもサイコーだ。そもそも、太郎って人が魅力的。

プレイボーイの面白いのは「プレイボーイ」なので、青年の悩みをそのままアテたりする。失恋の相談とかを太郎が応える。そんな俗物な事に岡本太郎が応えるんだよ。しかも太郎節で。そりゃあ楽しめるよね。

中島らもの明るい悩み相談室

中島らもサンもやってる。これがまたらもサンなんで、拍手喝采。この人を知ると「変態」と「天才」って同義だなって解るよね。

伊集院静

これまた故人だけど、文春の連載でお馴染みの「一蹴」系。これは有名だから言わずもがなだろうさ。

言い切って欲しい人たち

ラジオのリスナーって言い切って欲しいんだよな。弱い人が多い。不安な人が多い。社交が苦手な人も多い。まぁつまり色んな人がいるってことなんだけど。

バシッと言い切って欲しいんだよね。言い切ることがラジオ出演者の仕事でさ。不安を払拭してくれる人が欲しいんだな。

それの形骸化してるので言えば都知事に立候補した市長ね。エンタメ系泡沫候補として見れば楽しめるよね。トランプが大統領になるのだから、ああいう人が先々……なんてことも、あながち笑えない未来。

優等生、が求められる時代

だが、今は、ネットも放送ももっともっとかつてよりも品行方正が求められている時代なので、言い切ることが「誤解」につながり、大変なことになりかねない。

なので、今のご時世で「人生相談」をやるなんてのは、猛烈に面倒臭い話であり、ましてそれを「エンタメ」に昇華しようなんざ、到底難しくてその山を登ろうなんてなかなか思えない。

毒蝮三太夫がババアというのが許されているならば、そりゃあ伊集院静が言い切るのも許容されていい。

その完成形が鴻上さん

そういう意味での今の完成形が鴻上さんだと思う。柔和なトーンで断罪する。言い切る。そこに痛快さを演出することなく。なんとも潔い。そして明瞭で簡潔。もんのすごい勇気だと思うよ。

だって、文書で送られてきた手紙の内容だけで、全てを推察して応えるんだぜ。テレビで暴れて騒ぐ目立ちたがり屋タレントのようなビジネスバイオレンスのような痛さはなく、血が出ない範囲でスパッと斬り、その場を去る。そんな鴻上サンがめちゃんこかっこよいよね。

報われない挑戦。評価されづらい多大な勇気。さんざん、批判されたり反対意見が噴出してる筈。だが、変わらず常に言い切る姿勢。シビれるぜ。

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作成者: 宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。