ハイリー・センシティブ・パーソン。これの略がHSP。これは最近……といってもここ20年ぐらいで言われるようになった人の性格分類だが、決して病気ではない。そして治るものでもないし、治す必要があるものでもない。その個性として理解してHSPとつきあう事ができれば、より円滑になるだろう。
自分と同じ考えではない人を否定するな
そもそも、上に立つ人は、「どうしてこんなことができないんだ!」と怒っちゃう人っているよね。「できない人」なのだからできないのであって、「自分ができるし、できる部下ができるんだから、『おまえもやれよ』はおかしい」ということに気づくべき。
それぞれ個性がある。僕はラジオ番組のパーソナリティだけをやっている時に「スタッフを変えてください」と言わなかったことがないのではないか?というぐらい、なかなか上手くいかない。
でもそれは、すぐに「とはいえ誰かとはやらなければならない」ので、すぐさま諦める事になる。問題は、その人の力をどれだけ引き出せるかを考えていけばいい。
若い頃の僕は劇団の稽古で演出つけてて「どうして、できないんだ!」と役者にやきもきしていた。そのストレスを発散できていたのは、「KAWAI」の存在だった。KAWAIは自分と軽部さんなので、まるでストレスがない。人と一緒に芝居を作るのにストレスがあるなら、全部一人でやっちゃえばいいじゃん!がKAWAIだった。
自由が聞かないラジオ < 自由に作れる演劇 < ストレスがないKAWAI
という序列(ストレスに関しては)。それぞれに救われてバランスが保たれていた時期もあるし、グチャグチャになっていた時もある。
なんてことはさておき。
ともあれ、「人は自分とは違うのだ」を理解すると「できない人」にイライラしないですむし、では、その人は何ができるのだろう?を中心に考えればいいということに気づける。
ラジオ番組でも「こういう番組やりたいよね」という「夢」を「じゃあ作ろう」と実行に移す人がいるけど「そもそも、君たちにそれは作れるのかい?」という点で疑問符の場合は、やめたほうがいい。なんとなくパーソナリティの追従笑いだけで渡り歩いてきた作家にそれは無理だし、ディレクターのセンスも必要。
テレビの場合は、その一つの番組立ち上げに関して「その番組担当が職業」となるように集中して作れる環境があるけど、ラジオはそうはいかない。薄利多売でスピード感を持って、テキトーに60点の番組作りをテキパキできるスタッフが有能だ。そして事故を起こさない人、レコード室のどこに弘田三枝子のレコードがあるかを判ってる人。そういうのが重用されて発想力や創造力は二の次だ(仕方ない)。
若い時に僕は「もっとちゃんとしたスタッフいないんですか?」と偉いさんに尋ねて
「あれでも、まだうちでは良い方なんですよ」
と言われた事がある。そう言われちゃ仕方ない。そもそも、若い人がどんどん入ってくるので、仕方ないっちゃあ仕方ない。
そこから、ある人からみたら「無能」でも、それを「個性」と認めて付き合っていかねばならない事にようやく気づく。これに気づけないと、いつまでも「どうしてできないんだ!」と当たり散らすだけの人であり続ける(それはそれで悲しいし、双方得しない)。
となると、LGBTとか関係なしに、性格でも個性をもっともっと尊重すべきだし、エラーをする人を責めずに改善する方法を考えなければならない。だって、何度注意してもできない人っているよね。それは「個性」なのだから。






HSPとHSS
そこで、HSPとHSSです。その前にエニアグラムは有名で、いろんな会社でエニアグラムでのタイプを分散させる人事で業績を伸ばすのは常識になりつつある。
それとはまったく別で、HSPというのはハイリー・センシティブ・パーソン。5人に1一は「HSP」だと言われている。とすれば、しっかり理解した方がいいに決まってる。
HSPとは?
1996年にHSPに関する本が出版されてからまだ20年あまり。最近判った事ね。
どういう性格か? 単純に言うと
- 敏感な人
- 繊細な人
- 感受性が豊かな人
だが、もっともっと細分化されているので紹介しよう。
- いろんな事に気づきやすい
- 些細な仕草や言動から相手の意図を読み取れる
- いろんなのに深く感動できちゃう
- 周りからは「気にしすぎ」「考えすぎ」と言われがち
- 騒音が苦手
- 団体行動が苦手
てな感じだ。
HSPのチェックリスト
次の質問に「はい/いいえ」で答えてみよう。
- 自分を取り巻く環境の微妙名変化によく気づくほうだ
- 他人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感だ
- 忙しい日が続くと、ベッドや暗い部屋など、プライバシーが得られ刺激から逃れられる場所に引きこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
- 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい
- 美術や音楽に深く心を動かされる
- とても誠実である
- すぐに驚いてしまう
- 短期間に沢山のことをしなければいけない場合、混乱してしまう
- 人が何か深いな思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐ気づける。
- 一度に沢山の事を頼まれると嫌だ
- ミスをしたり、忘れ物をしたりしないようにいつも心がけている
- 暴力的な映画やtv番組は見ないようにしてる
- あまりにも沢山のことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
- 生活に変化があると混乱する
- 繊細な香りや味、音楽を好む
- 普段の生活で、動揺を避けることに重きを置いている
- 仕事をするとき、競争させられたり、観察されたりしていると、緊張していつも通りの実力を発揮できなくなる
- 子供の頃、親や教師は自分の事を「敏感」とか「内気」と思っていた
これら質問の12以上に「はい」と答えた人はおそらくHSPだそうです。
決して病気ではないが、自分が「HSPなのだ」と判ると、どうして自分はみんなが平気な事ができないのだろう?と悩む事がなくなりますな。
そして、部下を見るにあたり、
マルチタスクができない人
をHSPかもしれない、と思って、配慮してやることで関係が崩れずにいられるかもしれない。詳しくは本が沢山出ているのでそれらを読んでみてくらはい。
HSSとは?
で、この二つに分類される訳ではないが、対極に位置しているのがHSSで、僕がどうやらそれのようだ。チェックリストはほぼすべて当てはまった。まるで自分の事を言われているようで恥ずかしくなってきた。エニアグラムの本で「タイプ7」だったかな(要は悦楽主義者)、を読んでてた時も同じぐらい恥ずかしかった。自分の事をそのまま描かれているようで。
このHSSは何の略かというと、ハイ・センセイション・シーキングの略。刺激追求型という気質。
変化に富み、新しく複雑かつ激しい刺激や経験を求め、こういった経験を更に得るために、肉体的、社会的、法的、経済的リスクを負う事を好むタイプ。
まさに俺だ(マジ恥ずかしい)。いや、あの、これも、その、一つの個性なので、否定しないでやってください。そういうやつもいるってことです。
HSSのチェックリスト
HSSは、HSPに比べると構えて相手を傷つけないように接する必要があるとは思えない性格(個性)だけれど、チェックリストがあったのでやってみた。僕はほぼ全部にあてはまっていた。とほほ。
- 安全ならば、奇妙な新しい体験ができるドラッグを服用してみたい
- 会話によっては、とんでもなく退屈することがある
- 好きだとわかっている場所にもう一度行くよりは、好きにならないかもしれないが新しい場所に行きたい
- スキー、ロッククライミング、サーフィンなど、スリルが味わえるスポーツをしてみたい。
- 長い間いえにいると落ち着かなくなる
- することもなく待つのが嫌だ
- 同じ映画を二度観ることはほとんどない
- 不慣れなこと、未知なことを楽しめる
- 普通でないものを見ると、とことん追求したくなる
- 毎日同じ人と一緒にいると飽きる
- 私が何をしでかすか予測がつかない、と友人たちは言う
- 新しい分野を探るのが好きだ
- 日常的なルーティーン(日常の決まり事)を避けている
- 激しく心を揺さぶるアートに惹かれる
- 高揚感を与えてくれる成分を摂取するのが好きだ
- 突発的な行動を取るような友人を好む
- 自分にとって目新しくて好奇心を刺激するような場所にいたいと思う
- 旅行にお金を使うなら、できるだけ知らない国がいい
- 探検家になりたい
- 周りがひきつり笑いをするような下ネタが出ると楽しいと思う
これは、女性と男性で少し違うようで、
女性の場合は、11個以上の質問に「はい」だとおそらくHSSだろうと。はいが8~10だと「ややHSS」。
男性の場合は、13個以上の質問に「はい」と答えた人はおそらくHSSだろうと。「はい」が10~12だとややHSS。

HSS寄りのHSPは6%
で、対極に位置するHSPとHSSだが、両方を持ち合わせる人が6%もいる。
つまり、HSPはHSSではない、ということではないということ。これが「エニアグラム」とかと決定的に違う部分。少し複雑ね。
異性のほうが落ち着く
HSPは男女どちらであっても、同性よりも異性の方が話しやすく、心を開きやすい。
……なんとなく「あ、そうかも」と思う人いるんじゃないかしら。
HSPのほかにも見える特徴
- 既読スルーに敏感
- 相手が何を考えているのか気になってしまう
- 頑張れ!とか言われたくない
- 自己啓発書、スピリチュアル、心理学の本が好き
- 「面倒くさい」「考えすぎ」「気にしすぎ」と言われたくない
- 直感が鋭いワリに決断力がない
こうやってみると「恋愛」だと相手に「重い」と思われがちなんじゃないかなぁ。
HSPの人との付き合い方のコツ
恋愛においても、仕事においても「あ、この人HSPだな」と思ったら(このHSPという単語さえも知らない人も多いので本人にそれを告げる必要はない)、
それを個性だと認めて差し上げる事が絶対に必要だと思う。HSPの人に「あなたらしさを理解しよう」と思ってくれない人は、恋愛でも仕事関係でもなかなか良い関係が作れるとは思えない。
HSPの人は、「よくない方向に話しをもっていってしまう」のだ。ネガティブシンキングに近いけど
- 自分だけが悪いような気がする
- 私が我慢すればうまくいくんだ
- 私のせいでこうなってるんだ
と思っちゃうのがHSPの人。なので、理解しないとなりません。それが恋人でも家族でも上司でも部下でも同僚でもバンドのメンバーでも劇団員でも。



HSPの人が自分を好きになるには?
おそらく、ネガティブシンキングに行きがちな要素があるらしいので、それを「仕方ない」と思うのが良いようだね。
マルチタスクが苦手な性質(個性)なのだから、沢山の事やれって言われたって、無理でーす!
と開き直ろう。
「●●●すべき」と考えがちなのがHSPなので、あまり決めつけずにいってみよっかな!
とおもうのがいいようですな。
もっと早くにこのHSPという性格を理解していれば、もっと自分のこれまでの人生でも人と上手くやってこられたのではないかなぁと思う。残念だ。
例えば、職場やバイト先で仕事をしているのが5人いたとしたら、そのうちの1人は「HSP」と思って良い。もしかしたら全員だってあり得る話。そして「自分である可能性」もある。
これは気づいた人は、気づきがもたらす安堵が有り難いらしいですね。
そっか、なんで、自分はできないんだろうって思ってたけど、HSPという個性なんだったら、しょーがないね!
と陽気に諦めがついて、すっきりした、そういう人が多いようです。
注意すべき点ははっきりしている
だが、問題が一つあります。身の回りのHSPかな?と思われる人に「あなたはHSPかもしれないね」「HSPの気が強いね」等と、言わないこと。
断罪されたと感じたり、責められたと受け止めたり、何しろHSPは「自分のせい」と考えがち。
それとなく伝えるのは難しいかもしれないが、伝えるか伝えないか、だけの事でも充分に熟慮していく必要がある。と僕は思う。
個性を笑うな
平均的を喜ぶな
って事ですな。
以下、HSPの本。ほんと、沢山あるので、どれでも良いかと。で、俺のオススメは、育児で「自分の子供がHSPか?」と思った時は、とっとと勉強して対応を考えるべき。部下や上司などの一過性のつきあいではないし、教育は「親の責任」なのでね。そして、それをまた子供に自覚させるかどうかというのも大きな問題。俺は自覚させなくていいと思う。ただ、拗れてなかなか成長していかない場合にのみ、肩の荷を下ろす意味で伝える、のがいいのかなぁ。わかんない。世の親御さんたち、悩んで結論を出してくだされ。
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ここからはエニアグラムの本。僕はエピキュリアン。妻は「支える」タイプ2だった(泣けてくる)。
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