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ぼくのうまれたところ、ふくしま

絵本を買いました。「ぼくのうまれたところ、ふくしま」というタイトルの。

ぼくのうまれたところ、ふくしま
「ぼくのうまれたところ、ふくしま」

松本春野 作・絵

福島民友新聞社刊。1,500円(税別)。
福島の未来を担う子供達に、震災や原発事故の教訓を伝えたい……。そういう思いで、東日本大震災・原子力災害伝承館の語り部の話をもとに、絵本が制作された。

震災から十年

2011年の震災から10年目。双葉町に「戻る」家族の中で、唯一、「自分が福島に住んでいた事」を実感として持たない少年が主人公。

この子は、まだ幼かったので、双葉町の印象がまるでない。だが、お姉ちゃんは、福島に残してきたピアノのことを覚えているし、お父さんお母さんは、家のなかに残してきたモノに対する未練や執着がある。愛情もある。

そんな中、親と姉に連れられて、少年は、ふくしまの「自分が生まれた家」に戻る……。荒れ果てた家。壊れたピアノ。それらを見て、絶句する親と姉。

それを見てポカンとする主人公。少年は思う。

あれ? お父さんから見せて貰ってた写真の家と全然違うなぁ。

って。草がボーボーに生えている中へはいっていく際にそれを思う。そして、部屋へ上がると……。

福島の子供たちではなく、

福島の未来を紡ぐ子供たちだけではなく、日本人全員が記憶にくさびとして打っておかないといけない出来事だし、未解決のことも含めて、風評被害に未ださらされていることも含めて、甲状腺癌のデータをよくわからず騒いでいる人たちの問題も含めて、再稼働が決まった原発が出てきたり、再稼働を認めないという判決が出たりといった事全てをひっくるめて、考え続けていかねばならない。

1500円(税別)

絵本の難しさ

絵本は難しい。絵本になれば「それは絵空事」の世界に子供からしてみたらなってしまうから。つまり、「向こう側(虚構)」の話のように思えてしまう。ピンと来ない話として受け止めていい事のようになってしまう恐れもあり。でも、この絵本を読み聞かせる大人が、読んだ後に話し合う機会をしっかり持って、子供と考える事があれば良いのだろう。

でも、この絵本は、僕は悲しいけれど、福島県民は、ちゃんと読めるのだろうか? 読んで子供に伝えようと思えるのだろうか?

戦争の悲惨な体験をしてきた人たちが、その話をなかったことにして、誰にも語らずに天国へ行こうと決意する老人が多かったように、このことを「伝えなきゃ」「風化させちゃダメだ!」と思える福島県民がどれだけいるだろう。そう思える人はある程度「余裕」がある人だ。

本当に被害に遭った人たちは「伝えなきゃ!」なんて使命感よりも、自分のハートを守る事を優先させるだろう。それだけで手一杯の筈だから。

レイプ被害者に「あなたが語ってくれないと! レイプが増えちゃいますよ! あなたが赤裸々に語ってくれないと! 意味がありませんよ!」って言ってるのと同じような事なんじゃないかしら。

読むのがシンドイ人も多い筈……。そういう内容。

みんなで。

そうやって思うと、これは、みんなで、つまり関東圏の者達もひっくるめて、子供に読み聞かせるような事の方が良いのかな。そんなことを思ったよ。

ぼくのうまれたところ、ふくしま(松本春野)
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作成者: 宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。

「ぼくのうまれたところ、ふくしま」への1件の返信

「政国燦多朗」見ました。動く宮川さんを久々に見られました。
先日「お前の母ちゃん」で言っていましたが、宮川さんのユーチューブチャンネルを簡単には見れないように名前を考えたと(^^)。平仮名(まさくにさんたろう)で簡単に出るだろうと思っていたら検索出来ませんでした。流石宮川さん!と思うんですけど、見れないよ。。。とも思っていました。
無理せずアップしてください。音声の更新もよろしくお願い致します(^^)

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