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ある日の入管(織田朝日著)

入管が酷いというのは、噂では聞いていた。元は、新潮文庫「日本の聖域(「選択」編集部編)」の冒頭に載っていたのが「入管」で、それを読んだ頃。

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感想(3件)

外国人の扱いが暴力的で酷い

外国人の扱いが非合法で乱暴。挙げ句に病気になっても治療を受けさせずに死ぬ人もいる。

ロシアのナワリヌイ氏の扱いに意見してる場合じゃないかもしれない。日本には、もっと身近にヤバイ場所があるようだ。

漫画で読める「入管」

織田朝日さんは、入管を取材し続けている。かなり厄介な存在になっている筈だ。収容されている外国人と面会を繰り返し、話を聞いて、聖域を詳らかにしている。

志葉玲ジャーナリストも問題提起

御用ジャーナリストではない人ってのは、ネットの記事から探すしかないが、志葉玲さんもその一人。彼も追いかけている。こりゃ、本当にヤバイです。

何しろやりたい放題の印象

何しろ、調べれば調べる程、テキトーで、基準なく、係官の裁量で「やりたい放題」の印象がある。

睡眠薬を求めて直談判したら、「制圧!」と言って制圧される。「殺さないで!殺さないで!」と叫ぶも数人の大人が制圧して、収容は続く。

問題は色々

まず、日本のビザが取りやすいらしい。織田サン曰く。
で、先進国だし、「行けばなんとかなるはず!」と思って、日本に来るのだが、来てもほぼ数%の人しか、難民申請で通過出来ない。それ以外は、みな、帰されるか、収容される。そこで死ぬ人もいる。

そして、問題は、かつて、バンバン入り込んだ外国籍の人を、今になって(日本人と結婚して平和に暮らしていた人等も)収容する。急に母親を奪われる子供。夫。その家族。酷い。

解りやすく漫画にしてくれているので、何しろ入りやすいし、「肌触り」で酷い!というのがよく分かる。

トランプより酷いのでは?

壁を作るであったり、色々難民に強く出た元大統領だったけれど、トランプの場合は、まだハッキリと声に出しているだけ、潔いかもしれない。

日本のこの入管の仕組みと「体たらく」は、あまり報じられない為に、現実にカバーがされている。

スリランカ女性死亡について

 名古屋出入国在留管理局で収容中のスリランカ人女性(当時33)が死亡する事案があり、支援団体が7日、名古屋入管に抗議し、真相究明を求めた。女性は在留資格がないとして昨年8月20日から収容されていたが、3月6日に死亡。団体は死因や治療の状況などを1週間以内に回答するよう求めている。
 入管によると、女性は脈のない状態で発見され、病院に救急搬送されたが約1時間後に死亡が確認された。死因は不明としている。食道炎の治療を受けており、死亡直前の3月上旬に外部の医療機関を受診していたという。
 昨年12月から女性と面会を続けてきた支援団体「START」の松井保憲さん(66)によると、女性は1月以降、食べても嘔吐(おうと)するようになり、面会の度に体調が悪化。「点滴を打ってほしい」と話していたという。2月の面会時は自力で歩行できず、車いすに乗り、頻繁に嘔吐するためバケツを持っていた。最後に面会した3月3日は「死んでしまいそうだった」という。
 STARTは死因や、点滴投与をしなかった理由を明らかにすることなどを求めている。
 松井さんは「この問題は各地の入管でも同じこと。収容施設の処遇が改善されないと同じようなことが繰り返される」と話した。
 上川陽子法相は先月9日、事実関係を調査すると表明。出入国在留管理庁は今月上旬に報告書をまとめるとしている。

朝日新聞

おい、犯罪者!

スリランカ女性の件で安易に想像がつくのは、医者がちゃんとした診察と診療、手当をしていない事だ。

織田サンの漫画にある。26ページ27ページは、目を疑った。それが本当に、日本とは思いたくなかった。信じられなかった。

おい、犯罪者! ここでは俺の言う事が絶対だからな! イヤなら国へ帰れ!

と脅す医者。そんなの日本にいると思います? いるんですよ。いるらしいです。漫画を読んで下され。ああ、腹の立つ。

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感想(0件)

だが、織田サンの狙い通りに、僕らが「興味を持つ」事が出来たとしても、調べる事が出来たとしても、その先に出来る事とは何があるのだろう? それをこれからゆっくり考えて行こうと思う。

このネット社会になってでも、まだまだ詳らかになっていない現状がある。
詳らかになったとしても、その「外国人」の肩を持つ必要はない、という意見もあるだろう。そして、それが多いから、この惨状が改まらない。

一時期、あんなに外国人労働者の力を頼りにしていたクセに。その時、とても貢献してくれた人たちも、今になって、逮捕して収容しちゃう。なんだそりゃ。深すぎるぜ。

コロナで適当に収容人数を減らす、なんてのもどんぶり勘定で無秩序だ。

世田谷殺人事件

確かに、世田谷区の一家殺害事件の犯人は「外国人」という説はある。それなりの信憑性があるように思った記憶。だが、決めつけちゃあいけないし外国人差別に注意が必要。

実際に、入管で上手いこと移民として収容所から出て生活出来た人の中にも、住む場所の家賃などを調達する所から始めないとならない東京での生活では、無理が多く、

それが理由で「強盗」など手っ取り早い方法に至るのは多い。らしい。

だが、だ。だからといって、全員を痛めつけて良いワケはないし、
ブラック・ライブス・マターと同じで「黒人だからきっと」なんてのは許されない。

日本人としてとても恥ずかしい。そういう気持ちになる本です。

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作成者: 宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。