ゴーマニズム宣言「コロナ論」が馬鹿売れしてる。早くも二刷り。だが、なぜ? そして、これはまた政府の対応の不味さに「ゴーマンかまして」いるのかと思いきやそうではない。連載中から大きな話題になっていた「メディア(とりわけ「羽鳥慎一モーニングショー」)に対してカマしてるのだ。
不偏不党
僕は欧州サッカーとニュースしかテレビを意図的につけないけれど、朝の我が家は時計代わりに「モーニングショー」がついている。つまり、それにより僕も「受動喫煙」的に見せられてしまっている事に、薄々気づいていた。白鴎大学教授の岡田晴恵サンの泣きそうな顔は「ほんっとに政府は対応がまずいのね」と思わされたものです。
でも、311以後、我々は、政府はもちろん、マスメディア(とりわけテレビラジオ)は、まるで信じられないと思っておいた方がいい、という結論に達したよね。
なので、僕は、この受動喫煙している番組と対極に位置しているもの(つまり否定的なもの)を見ることで、バランスをとるべき、と自分で判断した。自分を偏らせてはならない、という事だ。
するとやはり興味深い。
コロナ怖い怖い病
モーニングショーというのは、極めてバランスよく仕切る羽鳥慎一MCと、テレ朝社員の玉川さんという健康オタクかつ自称リベラルの男性がレギュラーでおり、あとは、日替わりでコメンタリーがいる番組で、題材に合わせて識者が登場する。
で、コロナ禍は、白鴎大学教授の岡田晴恵サンがやたらと登場する事になる。羽鳥さんのギャラが猛烈に高いからだろう、玉川さんという社員を使う事で番組の体裁は綺麗に整っており、数字も一位を堅持している。
僕の評価も悪くはない。まず、圧倒的に「ちゃんと調べている」為に、ほかのワイドショーが「薄くペラペラなもの」にしか見えない。スタッフの努力が結実しており、時間も濃密で、ラジオ「森本毅郎スタンバイ」ほどではないにせよ、「濃い」印象がある。それはほかが「スッキリ」とか「時事ネタは適当にやってます」宣言してる裏番組との相対的な印象もあるし、要は不戦勝してるような形だ。
だが、小林よしのりサンにかかれば、この番組は「コロナ怖い怖い病」を広めようとしているコロナ真理教、となってしまう。爆笑。いちいち例えも面白いし、データで論破している。
コロナはビビる必要がない
ゴー宣では、「コロナはびびる必要がない」という考えだ。詳しくは買って読んでみて欲しいけど、要は、
わからないから怖い
のであって、データをしっかり見れば怖がる必要がない、という事。
毎年インフルエンザで死んでる日本人の数と比べてみなよ? という事。圧倒的にインフルでの死者、関連死が多い。
なのに、なぜびびっているのか?
五輪隠蔽
東京オリンピックをどうしても2020年に開催したい政府が、それにより都合の悪い情報を隠蔽していたよね?という疑惑(もともとは311での政治不信、マスコミ不信が伏線)。
欧米はパンデミックだよ
アメリカ、ヨーロッパは、猛烈に大変なことになっているよ!だから、ちゃんとしないと日本もすぐにああなるよ!という恐怖。
世論に後押しされての自粛
その恐怖が募る国民の「自粛したい」Mっ気に応える形で、政府がステイホームであったり、緊急事態宣言を出したりって事。
言われてみればその通り
もちろん、言われてみれば、「そうだな、そう言われて見れば」となるけど、読めば読むほど、今だから言える話であり、その時は「そうだ!」と思えなかったのが我々日本人の「心境」だ。
加えて、だから今からでも「こうすればいいんじゃないか?」という話にならないところが、この本の残念な所。
指摘してる問題は正しいし、説得力もあるし、とりわけメディアはひどい。だがそれに関しては今更言う必要さえない事だし、
「コロナ怖い怖い病」にかかってしまった僕らは(ワイドショーにかけられてしまった僕らは)今更、これを脱却できる精神的余裕がないのが現状だ。
テレビしか見ていない人が読むのは無理
文字が多いので、テレビばかりを見ている人にあの「濃いページ」を読み続けるのは苦痛かもしれない。テレビは適度な薄さでお気楽に勉強できるように、気づくと情報通になったような錯覚にさせてくれるメディアだからね。
なので、テレビ大好きな人があれを「読まなきゃね」と読むとは思えないので、それはまぁ国民性なのだろうなぁと思ってため息交じりの僕だけど、近藤誠の「患者よガンと戦うな」と同程度の正義感と存在意義はある。
テレビだけだと頭の栄養が偏るのだから、いろんなものを食べなきゃね、という事でお金を出して書籍を買う気持ちになれる人は買えばよろし。
というか、どんなに少なくても二週間に一度は本屋に立ち寄って、ぶらぶら歩くぐらいはすべきが現代人だとは思う。テレビを盲信しなくても、(pv稼ぎが上手いだけだが)ネットがあるから、と思ってたかをくくってる手合いが一番危ない。
ワイドショーという番組
そもそも、日本のテレビは民放ってのが沢山あって、視聴率至上主義だよね。その癖ニュースが絡むと「みんなが興味があるニュースを取り上げるのだから」と「そればかり取り上げることに何一つの罪悪感さえないまま」取り上げ続ける。数字がとれるから。
だが、その数字の為に、「そういう取り上げ方を続けていると、それを毎朝見ている人がどういう精神状態になるのか?」という事までは考えていない。なぜなら現場の人間は「自分が携わる番組の数字が良ければいいのだ」から。
テレビラジオは民度を形成する
地方局にも声を大にして言いたいのだけれど、放送局って、最終目標は民放である限りは「視聴率100%」だよね。しかも、全曜日の全時間帯で。ということは、極端な話、24時間7曜日、すべて、自局の番組を見てくれるのが望ましい。それが理想でありゴールだとすると、
その放送局の全番組をずーっと見続けたらどうなるか?を考えるべきだし、一つ一つの番組を作るスタッフもその俯瞰の目があるべきで。Mさんというラジオパーソナリティは、その人が喋る局で小利口な番組ばかりが軒を連ねる為に、1人でシーソーの反対側に座る感覚で極めてクソ馬鹿馬鹿しいシンプルでくだらない番組作りに没頭した。「エンタメがまるでないじゃないか!」という彼なりの使命感なのだろう。
だが、そんなことを考えて内容を作っている人は番組担当者には皆無だろうし、それは「編成が考えるべきこと」と割り切って、目の前の「明日の放送だけ」を考えて臨む。それが集合体となって、「民度の形成に無責任な編成」ができあがる。
モーニングショーでも、反対意見はあるにはある
モーニングショーにも青木さんとか、その「恐怖をあおる流れ」に一石を投じようとする発言をする人もいるにはいる。それでも、玉川さんが毎日喋っているし、PCRをするべき!を声高に歌う以上、かき消されてしまっている。
そして何より、数字をとる為には「コロナは怖い」ものとして恐れる対象として鎮座ましまして貰わないと困るのが現状だ。
確信犯でないから余計にたちが悪い
モーニングショーも含めてワイドショーは「コロナは関心事」なので、何かととりあげる。とりあげるけど、「そんなにビビらなくて大丈夫ですよ」と言うと「KY」なので、そういうコメンタリーは二度と出てこられなくなる。
まるで、バラエティ番組で、催眠術をやっている時に「これ、かからないと成立せーへんなぁ」と思いながら敢えてかかろうとする芸人サンと対極にいるKYタレントのような形で。
つまり、視聴者が求める形で存在しなければならないし、自我を持てずスタッフの希望通りの存在でなければならないのがコメンタリーだ。
医者は呼ばれても責任をとらされないことだけを念頭に、絶対に大丈夫な事も「その可能性がないとも言い切れないのですが」と付け加える。それが恐怖をあおっているとはつゆ知らず。
ワイドショーが「国民が怖がろうが知ったこっちゃないよ。数字が獲れるんだから、かまわず、続けちゃおうぜ」という確信犯ならばある意味あっぱれと思うけどね。映画「ネットワーク」のフェイ・ダナウェイのようなすがすがしささえ感じるけれどね。
実際はそうじゃないところがウンコだね。ともすれば「自分たちは正しい事をしている」とさえ思っているムキが感じられて、困る。田舎の人たちはテレビをまだ信頼してるんだよ。と思うとワイドショーの罪深さを感じる今日この頃。
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まとめ
今日のまとめ。テレビのワイドショーは、家に毎日居る人が見るものだから、老人が多くなる。老人の興味は「健康」オンリー。だからコロナはキラーコンテンツとなった。
しかし、どの番組であれ、どの書籍であれ、同じ著者(作者、発言者)の意見を聞き続けている事が「偏り」を生んでいる事を理解して、バランスをとりたし。僕はそう思って、買って読んで爆笑した。
かくいう僕も、とはいえ「羽鳥慎一モーニングショー」以外の番組をあの時間帯につけようとは思わないので、これからも我が家の朝の時計であり続けるのだろうけれど、「なんちゃって不偏不党」番組はとても多いので、そのあたりの正しい見方はこれからも身につけ続けていきたいですな。
昨日は、9/19。スタジオレンタルしてくれた方と夜に会話。「ついに50%から100%になりましたね!」そう。ようやく芝居が堂々と打てる。
小林よしのりが言う通り、「玉川さんは、エリートでステイホームしても遠隔出演しても高給取りが約束されている立場だから煽れるのであって、飲食店などはステイホームが数週間続くだけで倒産の憂き目」。というのは事実。
飲食店側にいる劇団員でも、芝居が打てれば精神はフル勃起するかもしれない。昨日を境に僕も外食を再開しました。夜に大塚のロイヤルホストに行って「久しぶりのファミレス」を楽しみました。女性従業員に
「あなたはロイヤルホステスってことですよね?」
とか
「客である、俺が王様(ロイヤル)って事ですよね?」
とかは言っていないので安心してちょ!