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映画「ナイトクローラー」を地味に感じる時代の憂鬱

自分の中で、「映画館で見る映画」と「家でベッドで見る映画」とに二つ分かれてきた。そもそも、どうせDVDのレンタルで稼ぐから映画館はそんなに来てくれなくてもいいよ的製作姿勢の映画は数多く存在したのが平成の邦画界。

部屋で見る映画

で、これは、ベッドで見る映画。自分の中で、これを映画館で見るのは「もったいない」けど、家でなら楽しめる。そんな映画。この意味合い解るよね。テレビドラマやテレビのドキュメンタリー程お手軽な作りではないが、映画館のように「真っ暗の中で」「異世界に連れて行ってもらいたい」という物とは一線を画す。その真ん中辺に位置している作品。テレビ画面を通じて見ると「お得感がある」が、映画館で見ちゃ駄目な映画、と言えよう。なんだか非道いなこの言い方。褒めてるのに貶してる。

ジェイク・ギレンホール

そして、なんといっても、ジェイク・ギレンホールです。この人は不思議な俳優さんですね。チャラいのに、かわいくてセクシーで、莫迦っぽいのに聡明にも見える。大物なのに、小物感が強いし、達者系に見せない代わりに何でも出来ちゃう。

この人で思い出すのはやはり「ブローバックマウンテン」だよね。ホントに素敵だった。そうやって見るとこの映画も興味深い。面白い。

テレビ界を描く

テレビのワイドショーで数字がとれずに困っているテレビ局のプロデューサーに過激なニュース映像を「売りに行く」映像製作者たち。仕事がなくて困っている中、その仕事にふとふれあいそれを自分でやってみようと思い立ち、独学でぶりぶりその道を進んでいく。

数字が欲しい女性プロデューサー(リネ・ロッソ)は、食いついて過激な映像を買う。ジェイク・ギレンホールは、もっと過激な映像を撮影しようと躍起になる。事故現場に行くが、通報しないで死体を動かして「良い映像」を撮影する。殺人現場の家に入って、死体をねめまわすように撮影する。

ネットワーク

フェイ・ダナウェイの「ネットワーク」という映画を思い出す。この女性プロデューサーも、セックスしながら騎乗位で番組のことを喋り続けているような強烈な「数字に取り憑かれた女」。

テレビの欺瞞を描いた作品は沢山あれど(クイズ番組の裏側を描いたものも有名なのあるよね)、このパパラッチ映像を売って生活している人たちの話は、ありそうでなかったようにも思え、飽きない流れ。

そして、ありとあらゆる「脚本家」が考えつくアイデアは放り込まれている。自分も「俺ならこーするなぁ」と思ってた流れになったりして、やはり「フィクション」感は強い。

でも、ジェイク・ギレンホールが出色なので、良しとしよう。そういう映画。2014年作品。俺はアマプラかなんかで見たかな。

これは映画「ナイトクローラー」の予告編
これは映画「ネットワーク」の予告編

「ネットワーク」はフェイ・ダナウェイ。ピーター・フィンチ、ロバート・デュバル、ウィリアム・ホールデン。怖いよ、この時代に見るとね。今は「なんでもあり」なので、おそらく映画「ナイトクローラー」の方が過激だろうに地味に見える。時代だ。怖いよぉ。

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作成者: 宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。