(#029)ガソリン満タン

俺は乗らないライダー！
No Run ! Night-Rider！
いよいよ納車から二週間が経過して
１０分のアイドリング儀式を
行う日がやってきたぜ。

本日はプジョーの自転車で早朝駅まで漕いでいたが、車輪が小さい為かスピードが出ず、タイトスカートの会社員女性にサーッ！と追い抜かれてしまったぜ。むぐ。やるなぁ。自転車女子。まだまだゼーゼー言ってるよあたしゃ。

アルゼンチンが善戦しつつも延長戦でゲッツェの一発に敗れた日、俺は夜こっそりバイクのカバーをとってえっちらおっちらガソリンスタンドまで曳いていったぜ。歩道を歩くと明らかにバイク泥棒みたいだったぜ。でも、まずは満タンにしないとならないから仕方ない。
満タンは満了タンクの略なのかな。アルゼンチンは「あるぜ！チンチン」の略なのかな。
納車以来久しぶりに対面するバイク「ＭＴ－０９」。到着してからエンジンをかける。１０分タイマーで計る。途中、スロットルをひねってみるとやはり音が大きい。夜間の泊まりのガソリンスタンドマンが出てきた。暴走族と思われたのかも。ふ。暴走族どころか、走族でさえないのにね。曳歩族だけどね。そんな言葉ないけどね。とりあえず、不審がられたものの、でへへなんて笑顔を飛ばして事なきを得て（というかスロットルひねるのをやめて）、１０分アイドリングしてそこそこエンジンを暖めてから、ガソリンを満タンにして、これまた曳いて帰る。１４リットルのガソリンが加わると明らかに重い。へぇ。バイクが女子と見るならば
「お前、重い女になったなぁ」
となる。いや、そうではなかった。帰り道は仄かに上り坂だ。近いガソリンスタンドなのに、曳いて歩くのしんどい。家に着いたら汗かいてる。ふう。

明日は映画の仕事で神奈川に行く。この仕事が決まった時は「へっへーん。バイクで行っちゃおうかなぁ～」なんて長距離の現場を喜んでいたものだが、今や「神奈川かー。めんどー」としか思わない。あ、いや違う。「神奈川かー。電車で移動して階段上ったり降りたりすれば多少は運動不足解消になるかなぁ。きゃほー」でないとね。

ほーら、タイヤも「青と緑の線」がくっきり！　まるで走ってません！　えへへ。↑
ワールドカップは決勝戦が終わり、少し寂しい。オリンピックと同様に盛り上がるようだが、決定的に違うのは、ワールドカップは「勝者は１チーム」だけということだ。オリンピックは種目が沢山あって勝者が沢山出る。それはそれは贅沢なものだが、ワールドカップのサッカーは一種目で１チームの優勝のみを選び出す為の戦いだ。１チーム以外は必ず「敗退」する。その非情さが感動を呼び勝者を認めた時にカタルシスがあるのだろう。不思議な大会だ。
大好きな野口啓代のフリークライミングのワールドカップも二位三位も表彰台に上がる。五輪と同じく優勝でなくても「喜ぶ人は喜ぶ」。しかし、サッカーワールドカップは優勝以外のチームは「悲しむ」。ほぼ泣く。大の男が大勢一緒に。どこが勝っても感動するのはそのせいか。
俺は乗らないライダー！
No Run ! Night-Rider！
勝てない時期があるから
優勝時の感動がある！
あんなに強いドイツも
優勝は久しぶりだぜ！
俺は乗らないライダー！
No Run ! Night-Rider！
乗れない時期が長ければ長い程、
乗れた時の感動もひとしお！
そう思えば免停サンキュ！