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ザハ案は震度7は耐えられない

芥川賞受賞作「火花」が載っているので、文藝春秋を買い読みました。とても面白く楽しめまして。それについては、8/10公開の「お前の母ちゃん宮川賢?!」というポッドキャストで語ってます。ここでは、

同じ号に掲載されていた「ザハ案は震度七無理じゃね?」話の記事について。

遅すぎた「白紙撤回」

というタイトルでジャーナリストの由利俊太郎氏が書いている記事はとても興味深く、信憑性が高い。高すぎる。
世界都市博覧会を中止した臨海副都心のことを少し思い出すね。オリンピックは中止に出来ないけどね。

桝添都知事のオモテとウラ

テレビで僕が見た桝添氏は総工費がどんどんふくれあがる事について、五輪後も使える施設にすることを考えると金はかさんじゃうんだよねぇと(そんな言い方はもちろんしないけど)言ってて、ほほお。まぁ、そりゃそーだ。と思っていたが、この記事を読む限りだと「民間に貸し与えるものに多額の都税を投入などとんでもない!大義がない!」と怒っていたとな。まぁ、マスコミに「お金かかりすぎじゃね?」と言われた時に「そーなんよねー、俺もそー思ってんだけどねー」と言えないわな。

JV(共同企業体)

  • スタジアム全体の骨組みなど構造設計を担当する「日建設計」
  • 見た目の意匠設計を担当する「梓設計」
  • 設備設計を担当する「日本設計」
  • の三社が共同企業体となり進められている。

    「キールアーチ」

    と呼ばれる二本の巨大な弓状の鉄筋構造物は、縦に長い競技場の天井を走る梁だが、この新国立競技場は柱が一本もない。この二本が屋根から何から全てを寄りかからせて支えるように施工されねばならない、とな。二本のアーチの足下は4カ所しかなく、この四本の足に全てがのし掛かる。

    大江戸線と森

    地下三十メートルに走ってる地下鉄大江戸線がネックとなり、地中深くに基礎杭を埋め込めない?
    競技場のある神宮外苑一帯が元々大きな森であったことで、地下には「沢」が流れていて、地盤がもろい土地柄だった。そこで杭を固定するのは、地中にコンクリートを大量に流し込み土台を安定させないとならない。そんなことが見えてきた。
    そりゃ日々百億円単位で膨れていくわな。

    「ヤバいよな?」

    設計三社の中からも、徐々に「ザハ案やばいよな?」と耐震性を不安視する声が出てきた。日建設計以外の二社は「うちは構造担当じゃないからねぇ~」と知らんぷり。やるの? やるんだよね? あぶないよ? いや、難癖つけてるわけじゃなくてさ。まいっか。そんな調子で時は経過して。ようやく、技術参画の企業が増えてから少しずつ「やばくね?」の声があがり始める。

    見栄?

    あの優美なデザインをそのまま作り上げれば、「震災から復興」した日本の姿を世界にアピールできる。しかし、それを補強して「やっぱ危ないんで」なんてやってたらザハは怒るし、デザインは台無しになるし、「やっぱ日本危ないのね?」とマイナスイメージを広める事になってしまう。そこでストップできなかったの?

    更に早めないといけないの?

    2020年ではなく、2019年9月に開幕するラグビーワールドカップに間に合わせよう!という事になると。あ、4年半しかない?! そして、各企業から「撤退論」が出始める。しかし逃げられない。

    逃げられない理由

    もちろん、ザハとの契約不履行による膨大な無駄金と手際の悪さを認める恥。戻した所で「じゃーどーするの?」もあるから「ま、いっか」とスルーしてきたけれど、そこに危機感がなかった訳ではないらしい。関与が決まっている大成建設は1964年の東京オリンピックの時に、たったの14ヶ月で「旧国立競技場」を作った実績がある。ここで踏ん張らない道はない。

    直談判

    ザハ案維持に拘泥する文科省やJSCを飛び越えて「官邸」に直談判した。
    「ザハ案、危ないっすよ」
    業者の話を聞いて重大性に驚いた和泉洋人首相補佐官は上にすぐさま伝えたモノの、安保法制に忙しいただ中であまりこの危険性は共有されなかった……。更に補佐官は頑張って奔走、時はすでに遅いものの、今に至る。らしい。

    現実的ではない人手問題

    新国立競技場に必要な建設作業員は数百万人。そもそも無理じゃね?とな。特に骨組みをつくる型枠工と鉄筋工、所謂職人!日給2万円が、最近は4万円でも集まらないんじゃないの?説が。
     東北復興事業に全国から作業員が動員されている中、近々発注される東京都心再開発プロジェクトがある。

  • オフィス街大手町の再開発
  • 東京駅八重洲口再開発
  • 虎ノ門六本木再開発(国立印刷局跡地等)
  • 渋谷駅鉄道各線の乗り入れ工事に伴う再開発
  • 誰も責任とってない

     まぁ、安藤忠雄が決めた事になってるし、そうなるとやるしかないのかぁ、と建設業者は設計事務所も下請け感覚。決めた側もつまりザハ側も「え?あたしのせい?」だろうしね。

     こういうのは、放送局でもよく見かけるね。現場が地獄絵図でも「俺の仕事じゃないんで」と会社内の事なのに、知らぬ存ぜぬを押し通す糞社員たち。出演者に気持ちよく仕事をしてもらおうという気持ちは持たず、それにより放送が糞ツマラナイものになることも「どうでもいい」。そういう感覚の人、いますよ、沢山。「自分がタレントと向き合う時は、自分を局の代表と思う」事はまるでない。何度かあります、そういう経験。いや、言われたからやってんすけどぉ、みたいな。せめてある程度は俺の番組をやってみたいとほんの少しでも前向きな人を配してくんないかなぁ。なんて思うよね。
     「こうしないとスポンサーに失礼でしょう? 営業が決めた文言にしてもいくら何でも間違ったまま言うのはやめようよ」
     「いや、これでいいんです。これでオッケー出てるんで。担当が今いませんし(気を遣ったとはいえ勝手に変えて責任とりたくないんで)」

     これ、日本人の特徴ですか? あーあ。まぁ、リセットされたことは遅かろうとも、まぁ良かったことにしよう。だってねぇ、2020年の開催日に大地震があって、キールアーチがぐらぐら揺れて倒れて映画「パニック・イン・スタジアム」みたいなことになったら、それこそ笑えないッスからね。とはいえ、リセットしたから「その危険性がなくなった」ワケではありませんがね。

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    作成者: 宮川賢

    何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。