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ケネス・ルオフに尋ねたい「令和のイントネーション」

平成が終わろうとしている。

退位礼正殿の儀

天皇陛下「退位礼正殿の儀」をテレビの中継で見た。ウルウルする。これを理屈じゃなく自分が日本人なのだなぁと感じる現象。ウルウル。

日本も世界も移ろい続ける。目まぐるしく。その中、制度としての天皇陛下は、どう移ろっていくべきか、また「制度」としてではなく人としてどうありたいのか、等を様々なことを考慮されてきたと思います。

被災地を回る。おやめ下さい!を一蹴して、構わない、と。被災者の目の前に行きお話をする。直接元気づけられる。

そしてそれらが色々な問題や現象を引き起こす事を承知の上でそうなさった。被災者の前で膝を折ってお話になる。だが被災者の中には、あぐらをかいたまま応対する人がいる。それについて残念であるであったり、失礼だと非難したり、色々。勿論そういったことも承知の上で是としたのが陛下のご判断。

「象徴」とは何か?

その問いそのものが抽象的であり観念的で、答えは端的に言い表せるのだろうか? なのに、ご本人の考えでそうされて、開かれた皇室。少しずつ少しずつ変わっていった。

そしてついに、全ての都道府県を回った天皇陛下となられた。

令和のイントネーション

何か新しい事があると、放送局だと、その呼び方やイントネーションの統一を図る。当然だよね。局の意思だ。

例えば、セリエAをセリエアーという所もあれば、セリエエーという所もある。関係なしに出演者の言葉に任せている所もある。
九龍をクーロンという所もあれば、キュウリュウという所もある。この辺りのことは、交通情報を「トラフィックインフォメーション」や「トラフィックニュース」と言うとか、DJをナビゲーターというとか、聴取率調査週間を「スペシャルウィーク」というか「パワーアップウィーク」というか、バカみたいに「レーティングスペシャル」とか言っちゃう等といった、個性で自由にやっていい事とは違って、言葉を左右する話なので、意思が必要だ。

放送は影響力がある分だけ、とりわけアナウンサーは「民度を形成」している責任を背負う。

3.11もラジオ生放送をやっていたが、毎日のように呼び名が変わった。環太平洋地震、東北大地震、等など。しかも、放送局単位で、あの局は「環太平洋地震」あの局は今は「東日本大地震」、その後「東日本大震災」と統一されたようなされていないような、時期に落ち着いた。

令和。

これは、どうするの? あ、イントネーションの話ね。当然僕は尋ねる。スタッフで答えられる人と答えられない人がいる。局にもよる。
で、平坦で統一、と言われる。え。そうなんだ。

だが、出演者の一人が「それはおかしい」と言っているらしい。ふむふむ。で、どうするの?
人によって色々。ってことでいいの? まぁ、局アナじゃなければ、統一は難しいよね。

でもそれでいいの? 「統一しない」って統一でいいの? いや。だけど。

それが民放ってヤツね。

ってことは、どのイントネーションの方が儲かるか?って観点で考えてもいいじゃない?なんてのはさておき。

それに倣って、平坦に言う努力をしている僕だけど。先ほど、陛下は「令和」のイントネーションが平坦ではなかった。さあ、どうする? どうなる? どうするのだろう? また大きな災害の呼称のように二転三転するのかな。
陛下に逆らうのかな? 倣うのかな? そしてそれらの理由をどう考慮するのかな。

バランス

僕は、勝手ながら陛下はバランスをとられているのかなと思っておった部分がいくつかの点においてあります。

外交はどうしても交渉ごとなので、損得を優先して考える。そうなると、そういう立場もとらないとなりませんよね。それはわかります。だが、象徴としてはこういった立場でそういった発言をさせて貰います、といったような。

桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに韓国とのゆかりを感じています

と述べられた事がありました。まずその段階で「純粋な日本民族」という考え方を重要視する人は驚いたに違いない。

そしてそこから、

お互いの国が歩んできた道を個々の出来事において、正確に知る事に努め、個人個人として互いの立場を理解していくことが大切と考えます。

と続く。

つまり、外交というのは国の利益を中心に考えていく事であり、その次に世界平和の事を考える。そうなってしまうのは仕方ない。なぜなら、そうしないと支持率が上げられないワケで、評価されないからね。だからそういった動きもやりとりも仕方ないけど、であるならば、とバランスをとるように上記のような事を口にされたのではないだろうか。そんなことを考えてしまう。(これかなり深読み過ぎを自覚)。

象徴と民主主義

象徴としての天皇は制度として世襲を蹈襲し、となると民主主義と相容れない制度にも感じる。この辺りのことはずっと心の片隅にひっかっかっていたけれど、ケネス・ルオフさんが

イギリスもスペインもベルギーもオランダも、それぞれが欠点や問題を抱えているけれども、象徴君主がいるのと同時に、民主主義国だ。

と言うのを知り、少し落ち着く。

個人的には色々あれど、考えなくていい事として消化しているのが天皇制についてのこと。

被災地で被災者と相対する天皇陛下を見て感動した。そんな自分の中の単純明快な感情を思えば、そこ考えなくていいと勝手ながら思う。

平成→令和

ともあれ、はじめまして令和。僕らはあなたを知らないが、どういった時代になりたいかなど阿るつもりもなければ、元号が変わったことでSaveしたり勇気が出たりといったこともありゃしません。だけんども、これからよろしくお願いします。さよなら平成、ありがとう。

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作成者: 宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。