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都知事選だぁね

トイレ本はランクが上よ

 不道徳教育講座という三島由紀夫の文庫本があり、存在すら知らなかったので買って読んでる。というより、一気に読むのは勿体ないから、トイレ本にしてある。これ、三島ファンに怒られたくないです。僕にとってのトイレ本というのは、かなりランクが上なのであります。そして用足しの間に丁度読み終わる程度のショートショートであったり、エッセイであったり。それでいて、それのオムニバス構成の本であるからして、一気に続けて読むと逆に濃すぎて食傷気味になる、といった事でありますからして。
 具体的にいうと、B-21スペシャルというトリオのコントグループがいて、かつて大人気でね。僕は彼らが売れるに連れて彼らの穴埋めとして一人でテレビの公開収録の前説なんてものをやらせてもらったものです。大人気の三人組に変わって代役が一人で喋るワケですから、それはそれは血みどろになりますよね(そーでもない)。その彼らの単独ライブはネタが全てテンポがよくてリズミカル。本当に「生理的にわらわせる」のが上手くて触発されたものです。あとちびっこギャングも。音ネタ、リズムネタじゃないのに、テンポがあってそのグルーヴで笑わせてしまう。それぞれ滑舌の明瞭さもあって好きだったのですが、Bは単独ライブになると濃すぎてどうも、と思った覚えがある。くたびれるのね。なんだろうね、音楽もアルバムで買うしその順番通りに聞こうとつとめてるけど(作者への礼儀としてね)、でも、たまに聞くベスト盤が「濃すぎて困る」ことはない。不思議ね。
 なんだか、そういった本であることがまず間違いないと思われる「不道徳教育講座」なので、トイレ本になっているワケです。とっとと読み終わりたくない、というそういうランクです。
 ちなみに、他に歴代トイレ本は「岡本太郎の太郎に訊け!」全三冊。中島らもの「明るい悩み相談室」。なんだか解るでしょ、この感じ。ちなみに筒井康隆の短編は無理だった。読み切れないし、大も小も出なくなった。さすが筒井ワールド。

公約を履行するなかれ

 その中にも、「公約を履行するなかれ」というタイトルのエッセイがあり、今の自分たちに置き換えてみても興味深い。都知事選について記されている。詳しくは書かないけど、何しろ面白い。

一氏によれば、売春防止法なんかは「メンスの上がった婆々議員共のヤキモチ作文」であり、金のある奴には都合よく出かしてあるのである。

と公約を掲げる人をオモシロおかしく取り上げている。

 又曰く、
「日本の物価指数は、床屋、魚屋、運ちゃん、呑屋、たんぽぽ、すみれ、アネモネにまかせておいて、地球を動かす国債経済指数を大都会そのものの交流からつかみとらねばならぬ」
そして東京を戦前の上海みたいな国際都市にして、世界の物価指数をこの手に握ってしまえば、各国の利権がそこに集まっているから、原水爆もうっかり落とせないのである。
「人間の思想も赤も黒もあるもんか、みんな善人なのだ。生活が豊かになれば隣人悉く笑顔だ」
 正に新興宗教の教祖のご託宣ですが、一氏の公約通りになれば、東京は上海になってしまい、米ソ英仏の租界でもできかねません。

とある。また別の候補者の「豚化選挙節」の歌詞も面白く、この手合いを見てるとマック赤坂は、眉唾に思えて仕方ない。ちゃんとしてる人の濃さもちゃんとしていない人の濃さも、どちらも濃いので、こういった濃い文章が生まれ続けてきたのではなかろうか、と時代の薄さを感じる自分でありました。
 そういや、ラジオの投稿もメールになって「はがき一枚に込める要素」が薄くなり、メールになって送るリスクもなくなり薄くなり、そしてラジオを喋る側も、頑張ってもなかなか評価されないからテレビの付録メディアとして手抜きする代わりに調子よく複数の番組を抱えて出演者側も薄利多売を考えねばならない為に薄くなり、仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけれどね。まーたこういう事書いてる事自体が、薄いなぁ俺。

 まぁ、台本書いてる作業の休憩時間ってことです。さあ、再開しよう、そうしよう。

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作成者: 宮川賢

何しろ、インプットを多くしないとアウトプットばかりだと枯渇しちゃうし、ヤバいのでまずは読書を。そのためにソロキャンプや旅行や仕事も頑張らないとなりません。なーむー。